台風10号(サンサン)接近で休校決める学校も 山口県
非常に強い台風10号の接近に伴い、山口県内の関係機関は28日も対応に追われた。高波が予想される沿岸では船を避難させる動きが相次ぎ、休校を決める学校も出てきた。 <台風10号(サンサン)最新情報> 周南市大島と下松市笠戸島に囲まれた笠戸湾には、高潮や高波を避けるため、中小型の貨物船やタンカーなど約40隻が一定の距離を保ちながら停泊した。徳山海上保安部によると同湾は島や陸地に囲まれて風の影響を受けにくく、航行中の貨物船などが待機したり一時避難したりするという。 県は各地の港湾管理事務所に指示し、防潮扉を閉めた。「風雨が強くなってからの避難は大変危険。避難する場合は早めの避難行動を取ってほしい」などとする村岡嗣政知事名のメッセージも出した。 岩国市や防府市、和木町、平生町などの複数の小中学校は30日に休校する。県教委によると、28日午後5時時点で県立高3校が29日の休校を決めた。 JR西日本中国統括本部は、山陽線岩国―下関間など岩国駅以西の県内全路線全区間で29日は午後に順次運転を取りやめると発表(岩徳線は午前中に取りやめ)。代行輸送は実施しない。30日も始発から運転を取りやめる可能性があるとしている。錦川鉄道の錦川清流線も29日の運行は上りが午後0時半発まで、下りが午後2時25分発までとする。 下関地方気象台によると、台風は30日昼過ぎから夕方にかけて県に最接近すると予測。「動きが遅いため非常に強い風、うねりを伴うしけ、大雨が続く恐れがある」とする。県内では28日夜から29日夜に線状降水帯が発生する可能性があるとし、「台風から距離があっても雨雲は流れ込んでくる。早めの心構えをしてもらいたい」と注意を呼びかけている。
中国新聞社