投資家は熱狂を抑えた方が良いかもしれない…市場が過熱しているサインをNDRが指摘(海外)
強気相場は極限に達しており、株式から仮想通貨など、あらゆるリスク資産の上昇が見られている。 ネッド・デイビス・リサーチによると、2025年に株式市場が大幅な上昇を遂げるためには、投資家心理のバランスを取る必要があるという。 「市場をさらに上げるために、どの投資家がさらに購入するのかという疑問が生じるのは当然だ」とネッド・デイビス・リサーチは述べている。 暗号資産(仮想通貨)のドージコイン(Dogecoin)の時価総額が一時フォード(Ford)を上回り、ビットコイン(Bitcoin)は10万ドル(約1528万円)を超え、株式市場は史上最高値で取引されている。 ほとんどの指標によると、現在のリスク資産の上昇は、非常に楽観的な投資家によって引き起こされているが、株式市場が2025年にさらに素晴らしい成長を遂げるためには、投資家のセンチメント(心理)のバランスを取る必要がある。 ネッド・デイビス・リサーチ(Ned Davis Research:NDR)のストラテジストたちレポートで、すべての投資家層における資金の流れや株式の保有状況が、2021年11月の水準に達していることを指摘した。その当時は厳しい株価下落が始まる直前だった。 NDRは、「ヘッジファンド、アクティブ運用者、個人投資家が保有する株式は、2025年に大きな利益を得るためには楽観し過ぎている状態を慎重な見方に変えることが必要であることを示している」と述べている。 NDRが注視しているサインの一つは、ETP(上場投資商品)市場のブームが続いているということである。これには、通常、あらかじめ定められたレバレッジ型のシングルストックETFも含まれている。 これらのファンドの資産は10.5兆ドル(約1604兆円)を超え、2023年から40%増加している。 「資産規模がこのレベルの成長を見せたのは、2021年の年末が最後だ」とNDRは述べた。 このリサーチ会社によると、株式市場の過熱の兆候の一つは、2024年10月と11月に株式のリスクヘッジを行わなかった投資家が多かったことだという。 通常、株式市場が上昇すると、株式市場が下がると利益が得られるインバース型ETFには、投資家がリスクを避けるためにお金が流れ込む。 過去2カ月間は、株式市場が史上最高値を更新したにもかかわらず、インバース型ETFへの資金流入は見られなかった。投資家の心理がバランスの取れた状態を示すためには、インバース型ETFへの資金の流入が増えることが望ましい。 それ以外の場合には、「株式市場が上昇している中で資金が流出している場合、市場がピークに近付いていることを示している可能性が高い」とNDRは述べている。
Matthew Fox