BMWも工場物流を脱炭素化! ディーゼル車は工場出荷時に「リニューアブル・ディーゼル」を充填
工場物流でもHVOを活用
RDは軽油と比較してウェルtoホイール(燃料のライフサイクル全体)で温室効果ガスの排出量を90%削減可能とされる。ディーラーに納車される前の工場での燃料の初期充填量は、モデルにもよるが5~8リットルだという。 また、従来のバイオ燃料では食品との競合が問題となったが、RDは廃食用油など様々な再生可能な原材料から生産され、「持続可能性」の基準を満たしている。製造工程でパーム油などを使用せず、食品とも競合しない。 化石燃料と同じように使用できるが、CO2は大幅に削減可能だ。また、その科学的な特性により低温始動時の挙動に優れており、高純度では微生物による汚染にも耐性がある。 BMWグループのディーゼルエンジンはオーストリアのシュタイアー工場で開発され、ほぼ全てがそこで生産されているが、2015年3月から欧州規格EN15940準拠のHVO100燃料の利用が承認されている。 ネステのHVO100燃料は、BMWの工場物流では既に実績があるそうで、2023年3月からRDを利用する物流用のディーゼル車4台がランダウ/イーザールからミュンヘン工場のルートを1日に数回走っていた。 これらのトラックはジャストインタイム方式でミュンヘン工場に部品を供給しているが、その台数も6台に拡大したという。トラックは運送会社・DBシェンカーの保有車両で、1往復あたり約40kmという距離にある工場と倉庫を頻繁に往復している。 新車充填燃料や物流用トラックでのRDの利用拡大に加えて、BMWグループは新たにeフューエル(合成燃料)の普及を目指す「eフューエル・アライアンス」への加盟も発表した。 eフューエルは再生可能なエネルギーで製造した水素と、大気中からキャプチャーしたCO2などから合成する燃料で、こちらも再生可能な代替燃料だ。 アライアンスのパートナーと協力して実用的な規制の枠組みを実現し、再生可能燃料の市場拡大を推進するとしており、こうした協力を通じて、電気駆動を補完する技術パスとしてRDやeフューエルなど再生可能燃料の採用を他の業界にも促していくそうだ。