[KWレポート] 若者の雇用守れるか…韓国「65歳定年」の課題 (4)
【09月17日 KOREA WAVE】◇先進国で進む定年廃止、韓国も続くか? 主要な先進国・地域では、少子化と高齢化による生産年齢人口の減少に対応するため、高齢労働者の活用を促進するためのさまざまな試みがある。 定年を延長したり、定年そのものを廃止したり、定年後に再雇用契約を結ぶ「継続雇用」制度を導入したりすることで、企業の負担を軽減している。各国は定年にとらわれず、自国の状況に適した雇用延長方式を模索している。 米国と英国では定年制度が存在しない。常時解雇が自由な米国では、1978年に65歳から70歳に定年が延長された後、1986年には定年制度自体が廃止された。定年を設定すること自体が年齢による差別であるとの理由からだ。これにより、米国企業は年齢を理由に労働者を解雇することができなくなった。 英国では、65歳だった定年制度が2011年に廃止された。年齢差別を防止し、雇用の平等を実現するという趣旨だ。現在、定年退職は警察などの職務の特性上、身体的なストレスが認められる特定の職業群に限られている。 最近では台湾も定年制度を廃止することを決定した。65歳の定年年齢を廃止する内容の労働基準法改正案が立法院(国会)を通過し、雇用主と労働者は定年延長に関する協議を通じて退職時期を調整できるようになった。 ◇OECD平均上回る先進国の高齢労働者比率 法的に定年制度を維持しているものの、その時期を延ばしている国々も多い。 高齢化による労働力不足が深刻な日本の場合、法定定年は60歳だが、労働者が希望すれば働き続けられる仕組みが整っている。日本政府は2004年に高齢者の雇用確保措置を義務化し、企業は「65歳までの定年延長」「65歳までの継続雇用」「定年の廃止」のいずれか1つを選択して実施する義務がある。2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業機会を確保するための施策を講じることを努力義務とした。 これにより、日本の高齢者労働はすでに定着している。厚生労働省によると、2023年時点で65歳まで高齢者雇用確保措置を実施している企業の割合は99.9%だ。これらの企業のうち、定年後に再雇用する継続雇用方式を選択した企業が69.2%で最も多く、定年延長が26.9%、定年廃止が3.9%と続いている。 ドイツは現在、定年を65歳に設定しているが、2029年までに67歳に延長する。スペインも65歳の定年を2027年までに67歳に引き上げる。このような欧州諸国の定年延長は、労働者の早期退職による年金・手当などの財政負担を軽減するための措置だ。 主要国の中で最も早く定年を迎える中国も、最近になって定年制度を見直すことを決定した。中国の法定定年は男性60歳、女性の事務職55歳、女性の生産職50歳で、1950年代以降、一度も調整されていなかった。しかし、世界的な人口大国である中国も、少子化と高齢化問題に直面しており、定年を引き上げることにした。シンガポールも60歳の定年を65歳に引き上げる。 先進国における65~74歳の高齢労働者の比率が、経済協力開発機構(OECD)平均を上回っているという分析は、65歳定年延長を検討している韓国政府にとって参考になるだろう。米ブルームバーグ通信はOECDの統計を引用し、日本では65~74歳の男性の半数以上(51.8%)が労働市場に参加していると伝えた。米国(31.4%)、カナダ(26.7%)、英国(21%)、ドイツ(17.9%)もOECD平均の17.3%を上回っている。 (おわり) (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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