「カギあいてます。どなたか犬をもらって」と民家に張り紙 劣悪な環境に残されたミニピンを救え
2024年2月、九州のとあるエリアの民家の壁に紙が張り出されました。その内容は以下のものでした。 【写真】民家の壁に貼られた張り紙 「母がたおれたため実家にいかないといけないので 家のカギはあいてますので どなたか犬をもらって下さい。もしくはほごしてもらって下さい!!」(原文ママ)
部屋の中で数匹が過ごしていた
通りがかった人が中の様子をうかがうと、無人の民家にミニチュア・ピンシャー(以下、ミニピン)のワンコたちが取り残されていました。何匹がここにいるのか、エサは与えられているのか、全くわかりません。警察に通報したところ、この家の親戚に連絡をしてくれたものの、「犬を引き取ることはできません」という返答でした。
複数の団体・個人が連携し民家から救い出すことに
ワンコたちが心配なこの人自身には犬を保護した経験がなく、どうすべきかわかりません。そこで九州エリアの保護ボランティアに相談し、これをきっかけに保護団体や個人ボランティアが連携。多頭飼育崩壊が生じているとみられる現場で保護に挑みました。 このうちの1つが福岡県のチーム、わんにゃんレスキュー はぴねす(以下、はぴねす)。提携する預かりボランティアさんが参加し民家へ急ぎました。
SNS効果で全匹の保護先が見つかった
「この家、いつまで人が住んでいたのか」 部屋中は荒れ果てていました。ゴミが散乱しており、あちこちにワンコたちの糞尿も。言葉を失いましたが、優先すべきはワンコたちの保護です。 保護した数は8匹に上りました。「2桁じゃなくて良かった」と思いつつ、悩ましい問題がありました。この時期、参加した保護団体や個人ボランティアはどこもキャパシティがギリギリ。保護はできたものの世話をする余裕がない状態でした。また、動物愛護センターにはこの民家から逃げ出したとおぼしきミニピンが収容されており、このワンコもなんとかして保護しなくてはなりません。 参加した保護チームの誰もが頭を抱えました。しかし、後日SNSでこの話が拡散。ほどなくして全てのワンコに保護主がつくことになりました。
ハゲハゲ皮膚のメスのミニピンをはぴねすが保護
これら複数のミニピンのうち、トビーと名付けられたメスははぴねすで保護することになりました。 トビーは肌の状態は悪く、健康状態が心配されたため、保護後すぐに動物病院へ。痛々しい皮膚を治療するため日々投薬などを行うことになりましたが、その他には重篤な持病はなく、里親さんとの出会いを待つ他のワンコたちと一緒に過ごすことになりました。