鳥羽周作がパスタレシピを発信する理由「パスタはプロっぽい味を家庭で再現できる一番簡単なツール」
140文字で紹介できるワンパンパスタ
「ワンパンパスタって、麺を茹でている時に味を入れるので、その時点で九割方、味が決まるんです。例えば、めんつゆにバターの組み合わせは絶対においしくなるから、失敗したくなかったら、この組み合わせは間違いないです。ちょっと甘めのめんつゆを使うとキャッチ―な味になって僕は好きですね。僕のレシピは、Xで話題になりがちですけど、甘めのめんつゆとバターにチーズ、そこにきのこでも入れたら、おいしいワンパンパスタができあがる…そんな感じで、とにかく簡単でわかりやすいからだと思います。 140文字で紹介できるし、動画を観なくても再現できる。食材だってなければ代用すればいいんですよ。無塩バターが無ければ有塩バターを使ってもいいし、『生クリームは高くて買いたくないから牛乳で代用してもいいですか』って問われれば、『いいよ』っていいます。もちろん生クリームで作ったほうがおいしいけど、自分がその味とお金とどっちを取るかってことじゃないですか。生活レベルの話もあるし、その人の価値観の問題でもあるから、否定しないって大事です。別にレシピ通りに作らなくっても、最終的には自分がおいしいと思うところに着地すればいいんです」 『おかえり!パスタ』に掲載されているのは、誰もが失敗なく作れるレシピに加えて、使用する食材もコンビニやスーパーで買えるものばかりだという。が、店の棚にはパスタの麺だけでも数種類が並んでいる。どう選べばいいのだろうか。 「太さの話でいえば、基本的には1.4ミリか1.7ミリなんですが、時間をかけずに作りたいんだったら、茹で時間の短い1.4ミリ。ワンパンパスタは茹で時間が5分なんで、1.4ミリのほうが向いています。ただ100グラムとか、ちょっと多めに食べたい人は1.7ミリのほうが、食べている最中に麺が伸びなくていい。パスタの麺にはブロンズとテフロンっていう種類があって、ブロンズは表面がザラザラしていて、テフロンはつるつるしてるんです。僕はクリームソースにはテフロンを使っていて、それ以外はブロンズですね。 茹で方は濃度が高いソースの時は、アルデンテを強くして、オイル系などのソースに濃度がないものは、ちょっとしなるように柔らかめのアレンジにしています。厳密にいうと調理器具でも味が変わってきます。マニアックな話になっちゃうんですけど、パスタを茹でるのに、ホーローは匂いを取らないからベスト。ステンレスは匂いを取っちゃう。だから、出汁を取る時なんかも本当はホーローがいい。 ソースを絡める時、プロは熱伝導が早く、ソースを熱々にしやすいアルミパンを使うのですが、家で作るならテフロンがいいと思います。『おかえり!パスタ』でも、ワンパンに適したサイズのテフロンのフライパンを紹介しています」