【日本S・荒木雅博の目】DeNA・東克樹、最後の一本は打たせない… まさに今季の中日が打ち崩せなかった姿と変わらない
【荒木雅博の目】◇29日 SMBC日本シリーズ2024 第3戦 ソフトバンク1―4DeNA(みずほペイペイドーム) DeNAの先発・東はシーズン中と変わらぬ投球ができた。緩急自在に、しかも制球良く投げて、強力打線のソフトバンクを相手にしても要所をきっちりと締めて流れを渡さなかった。完璧に封じたわけではないが、得点圏に走者を置いた場面でも最後の一本は打たせない。まさに今年の中日に「今日は攻略できるぞ」と期待させても、終わってみれば打ち崩せなかった姿と変わらない。 1点を先取した直後の1回裏にすぐさま同点にされたが、これは守りのミスが響いた失点。1死一、二塁から山川の遊ゴロが併殺崩れとなり、チェンジのはずがピンチを残して近藤に同点二塁打を浴びた。二塁走者と重なったとはいえ、その前に一塁送球が乱れていた森敬が今度はなんでもないゴロをポロリ。そのミスがなければ失点はなかった。 さすがと思わせたのは2回の投球だ。1―1の同点。2死から俊足の周東にバント安打された。一塁手の佐野と東の間に強めのセーフティーバントをうまく転がされた。その後、スタートを切って二盗を企ててもおかしくはない状況。周東は初戦で二盗を失敗しているから慎重にはなったはずだが、東がけん制球を入れたり、周東の足を抑止する投球フォームで投げたりして、2死二塁という状況に持っていかれる前に1番・ダウンズを空振り三振に仕留めた。見事とも言いたいが、本人にすればいつもの自分らしさを遺憾なく発揮しただけなのだろう。(本紙評論家)
中日スポーツ