完全キャッシュレスへ実証 市交通局、空港連絡バスの特急便で【宇部】
宇部市交通局(大谷唯輝局長)は、11月1日~来年2月28日に、山口宇部空港とJR新山口駅を結ぶ空港連絡バスの特急便について、運賃を交通系ICカードと航空会社のデジタル乗車券のみで支払う完全キャッシュレスバスとして運行する。 国土交通省の完全キャッシュレスバス実証運行事業として実施。深刻な運転士不足などを背景にしたバス業界の危機的状況を解消するため、大きな経営改善効果や運転士の負担軽減へ完全キャッシュレス化を進める狙いがある。同事業に参加するのは全国の18事業者で、利用者が限定的な29路線で実証を行う。中国地方では同局のみ。 同局では交通系ICカードの利用・普及を今年度の主要事業に挙げている。バス利用者の大半が高齢者や障害者という現状から、普及率が4割程度にとどまっており、実証事業への参加をきっかけに、キャッシュレス移行への課題などを改めて検証する機会とも捉えている。 実証路線を空港連絡バスの特急便とした理由は、利用者のほとんどが観光客やビジネス客で、8割以上がキャッシュレス決済であるため。実証期間中は、ICOCAなど交通系ICカード10種類と航空会社が発行するデジタル乗車券のみが利用可能となる。 特急便は山口宇部空港-新山口駅を1日9往復運行。途中停留所は常盤駅入口のみ。利用料金は空港-新山口駅が大人910円となっている。