トランプ次期米政権のウクライナ和平計画、領土割譲やNATO加盟断念なども側近ら提案
「大統領執務室に到着するよりも早くウクライナとロシアの戦争を終わらせる─」 トランプ次期米大統領に側近から複数のウクライナ終戦案が提示されていることが、政権移行チーム関係者の話で分かった。提案には、事実上のロシアへの領土割譲となる現行戦線の凍結や、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟断念が含まれているもようだ。 側近らはウクライナとロシアを交渉のテーブルに着かせようとしており、応じない場合には支援を停止するなどの「アメとムチ」戦略を提示するとみられる。ゼレンスキー大統領は、交渉に応じる可能性もあると示唆している。ただアナリストらは、プーチン大統領が要請に応じることはないと指摘する。 側近らの発言をまとめることで、トランプ氏の和平計画の輪郭が見えてくる。トランプ氏とプーチン氏、ゼレンスキー氏の直接交渉が、計画を左右する可能性が高いという。 政権移行チーム関係者によると主な提案は、1)ウクライナ・ロシア担当特使に起用されたケロッグ氏の案、2)バンス次期副大統領の案、3)グレネル元国家情報長官代行の案の3つ。 ケロッグ氏の提案では米国がウクライナの安全を保障し、合意成立後にはウクライナへの武器供与を拡大する可能性がある。だがこれは、追加支援に反対するトランプ氏支持者らの反発を受ける可能性もある。 バンス氏はポッドキャストの番組で、既存の前線に非武装地帯を設け「厳重に要塞化」し、ロシアのさらなる侵攻を防ぐことが、終戦案に含まれる可能性が高いと語っている。 専門家はバンス氏の提案は、一部がゼレンスキー氏や欧州諸国の反発を受ける可能性が高いと指摘する。