【選挙対談】藤井サチ&トラウデン直美「投票したい候補者がいないときはどうする?」〈衆院選2024〉|CLASSY.
――ふたりは日常的に政治を語ることに抵抗があったりしますか? トラ:抵抗というよりは、意識高い系って括られちゃう感じはあります。こういう話をインタビューじゃない場でもできるようになるって大事だと思うけど、とにかく政治の話はできないなって感じながら育ってきました。政治の話をすると、面倒くさいとか思われるんだろうなって。 サチ:確かに。私は中学生のときに、日本に来た留学生に「日本の政治ってどんな感じなの?」って聞かれたことがあったんだけど、みんななんて答えたらいいか分からないし、知識もないし、シーンってなっちゃって。それは衝撃的な経験だった。 トラ:番組で発言していることに対して「偉いね」って言われることもあるけど、それにも少し違和感を覚えてる。対話することが普通であって欲しいよね。 サチ:そうだね。私の周りにも「若い世代はそもそも母数が少ないから、選挙に行くだけ無駄」っていう人がたくさんいた。でも女性も一部の男性も選挙権がなかった時代があって、それを変えようと努力した人がいたから今があるんだよって話すと、「行ってみようかな」ってなるから、きっかけは人それぞれだけど、話すって大事だと思う。
「情報を鵜呑みにしないで、それを受けて自分で考えたり、さらに調べることが大事」(トラ)
――「選挙に行こうと思っているけど、票を入れたい候補者がいない!」というCLASSY.世代も少なくありません。そんな読者にアドバイスを! サチ:厳しい言い方かもしれないですが、“その国の政治のレベルに国民のレベルが表れる”という言葉があって。それを頭の片隅に入れて、調べて知る姿勢が大事かな、と。そもそも調べるモチベーションがない場合は、自分の困りごとを洗い出してみることがひとつの動機付けになると思います。画像検索でもYouTubeでもいいし、Xで検索すればリアルタイムの情報も出てくる。あとは、TikTokでも党の討論会やインスタライブのショート動画が上がっていて、そういうものを見ると結構印象が変わるはず。大事な部分を切り取っているから、入り口としては結構使えると思う。インスタライブって長いし、字幕はないし、なかなか集中できないから……。 トラ:サッちゃんの言う通り、どこの国でも短いものが好まれる時代かなと思う。それは自分も含めて。ショート動画とかSNSを入り口にするのはいいと思うけど、裏付けも取らずに情報を鵜呑みにして信じ込むのは危険かも。それを受けて自分で考えたり、さらに調べることが大事だと思う。 サチ:本当にそう。私たちの世代って情報のリテラシーを習ってきてないから、情報を鵜呑みにしちゃう人もいると思う。データを参照した上で、取捨選択して自分の考えを決めるスタンスを大切にしたいよね。 トラ:インターネットの仕組み上、仕方がない部分はあるんだけどね。その人が見たがる情報が勝手に届くから、抜け出せない気持ちも分かる。私自身もすごく実感するし。 サチ:そういうときは、ネットから離れて街頭演説! あえて自分とは違う考えの候補者の演説を聞きに行くのも気づきがあって、かなりいいと思う。 トラ:サッちゃんが話してた小池さんの例(※別インタビューで)がすごくいいと思った! 反対派がこんなにいるんだって感じるのも貴重な経験だと思う。反対している人がいることは分かっていても、実態ってなかなか見えないから。街頭演説とかで実際に目にすると、急にリアルになるよね。 サチ:画面の中だとどんな人が応援しているのか、掴みづらいよね。演説自体、そんなに長くないし、駅前で行われることが多いから、帰り道にちょっと立ち止まって聞いてみるのもいいと思う。 トラ:私は政治の大きな流れや、候補者がこれまで取り組んできたこと、政治的立場は気になるし見るけど、候補者自身のパーソナリティにはそこまで重点を置いていないんだよね。 サチ:私は逆で、その人の人柄とか人生を知りたい。政策とか党の大きな流れよりは、一人一人についての方が興味あるのかも。 トラ:なるほどね。私は、公約を果たすことでどこを目指しているんだろう、とか、何を得ようとしているんだろうとか、そっちの方に興味がある。最終的には繋がっていくけど、見方が違うね。対話を通して、そういうことを知れるのも面白いね!