宮城出身 俳優・宮世琉弥20歳「次、多くの命を失わないように」 自分たちができること
宮城県出身の俳優・宮世琉弥さん(20)。小学生の時、東日本大震災で津波の被害にあいました。あれから13年、自分たちができることはなんなのか、同世代のもとを訪ねました。 2023年ネクストブレイク・男性タレント1位(タレントパワーランキング supported by DmMix)に選ばれ、主演映画『恋わずらいのエリー』(3月15日公開)が控えるなど、いま注目の俳優・宮世さん。小学校1年生の時、東日本大震災で被災。家族は無事でしたが津波で家は流されました。
■名前に込めた思い “宮”城から“世”界へ
2月、宮城県を訪れた宮世さん。「同世代の方がどういう活動をしているのかっていうのはすごく気になって。またいつこういう震災が起こるかもわからないし、今年もあったじゃないですか」と、いまの思いを明かしました。実は「宮世」という名前について、「ファンの人から(芸名を)募集をしたんですよ。『“宮”城から“世”界へっていう意味です』っていうので、宮世っていう名前が候補にあって」と特別な思いが込められているといいます。小学生の時に、震災を経験した自分たちが大人になってできることはなんなのか、宮世さんは様々な活動をしている同世代の人たちのもとを訪れました。 石巻市にある『みやぎ東日本大震災津波伝承館』で出会ったのは佐藤陸さん(21)。佐藤さんは大学に通いながら石巻市の津波伝承館で解説員として津波の被害などを伝えています。 佐藤:津波っていうのは飛行機と同じ速度で伝わっていった。 宮世:震災の経験ってされているんですか? 佐藤:自分の経験は、津波ってのは見たことがなくて、揺れだけ経験したというような。
■津波の経験がなくても…伝える
津波を経験していない中で、なぜあえて伝える活動を選んだのでしょうか? 佐藤:(震災は)やっぱり記録としては残るんですけど、人の記憶からやっぱりだんだん薄れていくようなものかなと思っていて、伝承って聞くと、責任とか伴うとかも結構あるかなとは思うんですけど、全然そんなことなくて、今日知った一つでも、知り合いとかにも伝えることが大切だって、それが伝承だと思っていて。 経験がなくても伝えられることがある。そのため欠かさず行っていることがありました。 宮世:手に何を持っていますか? 佐藤:これですか? これが(解説の)1本の軸となっています。(コンビニの袋と書かれたメモを見ながら)自分もやってみてわかったんですけど、(コンビニの袋を)手とかにかぶせて、閉めると結構あったかいんですね。ポケットだったりとかカバンの中に忍ばせておくだけでも、対策の仕方ってのが変わってくる。 佐藤さんが持っていたのは、津波体験者などから聞き取ったことを記したメモ。普段から体験者の生の声を集め、来館した人たちに伝えています。聞き取りは宮世さんにも…。 佐藤:震災当時、どんな経験をしたのかなって。 宮世:そうですね。僕は地震があって学校で過ごしていたんですけどその時は。お母さんとかが迎えに来て家まで帰ろうとした時に津波にのまれちゃって、車の中で。竹やぶにぶつかって、車が止まって、脱出して山まで逃げたんですよ。 佐藤:そういう経験談からの教訓とかをいう時にも、本当に人に対してストレートに伝わってくると思うので。 宮世:絶対経験しなきゃいけないっていうルールはないですし、誰でもできるということを教えてもらった気がします。