宮城出身 俳優・宮世琉弥20歳「次、多くの命を失わないように」 自分たちができること
■宮世琉弥「次、多くの命を失わないように届けていきたい」
宮世さんが次に訪ねたのは東松島市に住む武山ひかるさん(23)。小学校4年生の時に津波で家を失いました。親友は、両親と祖父を亡くしています。武山さんは高校1年生の時から7年以上、全国の子供たちを中心に震災の体験を伝える語り部活動を続けています。 宮世:語り部活動っていうのは、どうしてやろうと思ったんですか? 武山:話すことで自分の心の中の整理がついたっていうのもあって、最初は続けていたんですけど、災害が他のところで起きたりとか、(その時に)また同じことが繰り返されてしまったりとかっていうのがあって。 自分の経験を未来につなぎたい。そのため、こだわっていることはあえてツラい体験をリアルに伝えることでした。 武山:子供たちにも本当にあったことを知ってもらって、伝えないんじゃなくて、怖いことを知ってもらって、知った上で、何か対策を考えてほしいなと。 宮世:恐怖が伝わることによって、こうなりたくないからこうしようっていう気持ちが生まれると思うので。 武山さんは、震災時の情景や心情をリアルに描いた絵本を手がけました。 宮世:津波を表している表現がすごく具体的だったなっていう。皆さん海を想像すると透き通っている海を想像すると思うんですけど、ほんとに真っ黒な津波が来るんですよ。 ありのままを伝えることは、きっと一人一人が真剣に考えるきっかけになるはず。そのため絵本の最後は『考えてみよう』と締めくくられています。 宮世:13年たっていると、まだ震災があったってわからない子もたくさんいると思うので、そういう子たちがちゃんと自分の命を守るためには、こういうことが過去にあって、来た時にじゃあこう対処したいねっていうのを知ってもらえたらいいなって思います。次、多くの命を失わないように届けていきたいなって。 (3月8日放送『news zero』より)