抽選の方法には日本以外からも問題視する声が出ている(C)Getty Images

　パリ五輪の柔道競技最終日、現地時間8月3日に行われた混合団体決勝で日本は開催国フランスの前に3-4で敗れ、銀メダルに終わった。フランスは2大会連続で日本を倒し金メダルを獲得。しかし、3-3の勝敗から、代表戦の階級を決める“抽選”が今なお話題となり続けている。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン？ パリ五輪選手村の全容をチェック 　6人ずつが戦った後、3勝3敗で並ぶと試合を決着させる代表戦の階級が、会場のスクリーンのルーレットにより決まった。「+90」と映し出され、日本は斉藤立、フランスはテディ・リネールと、ともにチーム最重量級選手が本戦に続き出場。斉藤は粘りをみせたものの、最後は100㎏超級個人金メダリストであるリネールが大内刈りで制し、フランスが連覇を飾った。 　だが、雌雄を決する最後の試合において、抽選方式にデジタルのルーレットが用いられ、さらに6階級の中からフランスの「英雄」が出場する階級が選ばれたことが不自然であるとして、海外では試合後より疑惑の声があがっている。 　韓国メディア『スポーツコリア』でも試合終了後に配信となった、「操作じゃないのか？抽選なのに偶然にも203cmの怪物が...日本も疑うしかない」と銘打ったトピックの中で見解を示している。 「サッカーのくじ引き、宝くじの抽選など、様々な抽選は人が直接行うのは当然のことだ。操作や疑惑をなくすために人が直接抽選を行うのに、オリンピック柔道の決勝戦にも関わらず、電光掲示板でルーレット方式の抽選をするということ自体、議論の余地を残すしかない」 　さらに、同メディアは「ルーレットで出た結果も『開催国』フランスに圧倒的に有利だった。国民的英雄であり、すでに前日にキム・ミンソンを破って金メダルを獲得した男子最重量級である+100kgのテディ・リネールがいる+90kgに当たったのだ」と振り返り、「もちろん、リネールの実力に疑いの余地はない」と前置きしながら、「問題は、なぜフランスの必勝カードであるリネールの階級が、1/6の確率で出たのかということ」「コンピューターによるルーレット方式ということだけで、開催国が操作できると疑われるのは当然だ」と強調する。 　今回の抽選方式に異を唱える同メディアは、トピックの終わりに「フランス柔道チームからすれば、実力で勝っても無駄に疑われるしかない。日本からすれば、なぜ『最強』のリネールがいる階級が選ばれたのか疑うしかない、そんな抽選方法だった」と皮肉を込めた言葉を並べた。 　決勝戦では畳に立った両チームの選手による、死力を尽くす素晴らしい戦いが繰り広げられた。しかし、勝敗や試合内容以外で、どこか複雑な想いが残ったことも間違いないようだ。 ［文／構成：ココカラネクスト編集部］