「北陸観光フリーきっぷ」で海沿いの景色を楽しみ、北陸の幸を味わう
穴水でのお目当ては能登丼。能登丼は、奥能登産の米、メイン食材に地元産の魚や肉を使い、能登産の器と箸で提供される。4月下旬に営業を再開したという福寿司の能登丼は、地物のネタがたっぷりのった海鮮丼だ。「避難所は眠れなくてね。片付けも大変だったけど、やっと店を開けられて、うれしい」と、大将の松本志郎さん・好美さん夫婦。またおいしい寿司が味わえるようになり、本当に良かった。 最終日は敦賀まで足を延ばした。まずは敦賀駅から徒歩5分、敦賀ヨーロッパ軒駅前店で、福井名物のソースカツ丼で腹ごしらえ。 敦賀駅からバス10分の金ヶ崎には、かつて敦賀港駅があり、新橋から欧亜国際連絡列車がつながっていた。ヨーロッパへは、敦賀港でウラジオストク行きの船に乗り換え、そこから再び鉄道に乗り継いで向かったのだ。杉原千畝(ちうね)の「命のビザ」でヨーロッパから逃れてきたユダヤ人も、敦賀港にたどり着いた。人道の港 敦賀ムゼウムや敦賀鉄道資料館で、そんな歴史に思いを馳せたい。 文/出口由紀 写真/宮川 透 北陸観光フリーきっぷ 1万7220円 出発地は名古屋、浜松または静岡で、北陸までの往復は特急ひだと特急しらさぎの普通車指定席が利用できる。どちらかの特急のみでの往復は不可。北陸の自由周遊区間内では、北陸新幹線の普通車自由席やJR各線、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道およびハピラインふくいの特急自由席と普通列車が乗り降り自由。出発駅と米原駅間は、東海道新幹線普通車指定席にも乗車できる。 ■期間:有効期間4日間、通年利用可(8月10日~19日、12月28日~2025年1月6日は利用不可)。 ■問い合わせ:JR東海テレフォンセンター/電話050・3772・3910 ※「旅行読売」2024年7月号の特集「気ままに おトクに フリーきっぷであの駅へ」より