時代とともに変わりゆく高校野球の姿 センバツ大会から新ルール本格導入
世界中で導入が進む“時短ルール”が高校野球でも
3点目は「タイムの制限」に関して変更点があった。今年度より、「内野手(捕手を含む)が投手のもとへ行ける回数を、1イニングにつき1回1人だけとする」というルールが追加された。(投手が交代したときは、この限りではなく、投手のもとへ行った回数には数えない、伝令が投手のもとに行ったときは内野手(捕手を含む)が投手のもとへ行った回数に数えない、タイブレークに入った場合も同様とするとある) 高野連は「当該規則の主たる目的は試合のスピードアップを図ること」と説明し、試合の進行をスムーズにするために本ルールを採用。「高校野球の魅力の一つは、時間制限のないスポーツの中でもスピーディーな試合運びで、その一投一打が、選手たちの成長や感動を野球ファンに与えてくれていることです。しかし近年、内野手(捕手を含む)が投手のもとへ頻繁に行くケースが散見されるようになりました。MLBはじめNPB、アマチュア野球界も試合時間短縮、ボールゲームの原点回帰に向かっています。高校野球においても、その原点回帰の視点に立ち本規則改正とし、社会人・大学野球と同じ運用にすることとしました」と変更理由を解説した。 昨年は3月のWBCで侍ジャパンが世界一を成し遂げただけでなく、U18はW杯初制覇、大学代表は日米大学野球選手権大会で米国を下して優勝、社会人代表はアジア選手権で頂点に輝くなど、各世代が国内だけでなく世界を舞台に躍動を続けている。でもなお、進化を遂げるべく、近年ルールや規定が改定されている。怪我の防止やレベルの向上につながる新ルールが、今後の野球界にどのような影響をもたらすのか。野球を楽しむだけでなく違った視点で見ることで、さらなる面白さを見い出せるかもしれない。
VictorySportsNews編集部