iPad iPhoneだけでコンサート 大阪発バンドの新たな取り組み話題に
S・タイラーとのセッションが話題となったバンド
iPadだけでコンサート 大阪発ジャズバンドの新たな取り組み話題に イーゼル芸術工房 THEPAGE大阪 企画・編集:柳曽文隆
大阪府柏原市を拠点とし、2013年に大阪市内で路上ライブ中にエアロスミスのスティーヴン・タイラーに声をかけられ、公演先でセッションして話題となったバンド「イーゼル芸術工房」が、新たな取り組みを始めていた。それはiPadとiPhoneのみで本格的な演奏を行って動画サイトで配信したところ、各地から演奏の依頼が増えてきたという。実際にどのような演奏をしてるのか? 彼らの拠点を直撃した。
楽器はiPadとiPhoneだけ
同バンドメンバーの母校である大阪教育大近くのレトロな建物の前に着くと、楽しそうな音楽が漏れ聞こえてくる。ドアを開けると、店舗跡スペースで、iPadとiPhone、スピーカーを並べてメンバーが練習していた。 その音は、とてもiPadで弾いているようには聞こえない。「以前は曲作りをするためにパソコンにキーボードを並べるだけでスペースをとりましたが、最近はこうしてiPadでも十分曲作りや演奏が出来るんで楽になりました」と語るのは、リーダーの竹下壽晃さん。 iPad Proをはじめ、メンバー一人ひとりがベースやピアノなどの楽器を設定したipadやiPhoneを持ち、演奏を楽しんでいた。
狭いスペースでも気軽に演奏OK
今回訪ねた場所は、お世辞にも広いとはいえない小さな店舗スペース。これが楽器であればこのスペースでは演奏できないが、整列して手元をiPadを動かすだけであれば、場所などは関係なく、演奏することができるのが利点だ。 「楽器運びとかはいつも車に積んだり大変でしたが、これならみんなカバンに入れて移動することもできるんで、ほんと気軽になりました」とボーカルの松井香奈さんはうれしそうに語る。この手軽さ気軽さによって、各自がiPadなどを手に、スピーカーやミキサーさえあれば、野外からライブハウス、どこにでも出張演奏が可能なのだという。 こうした演奏風景を実際に公式サイトや動画サイトで流し始めたところ「うちに演奏にきてという依頼が増えてきました」と竹下さん。 最近では、同バンドが定期的に演奏している「通天閣」のステージで、彼らのベースであるジャズをアレンジした曲を披露したところ、訪れていた外国人観光客から「他のダンスミュージックやロックなどではあったかもしれないけど、ジャズでiPhoneやiPadはこれまで聞いたことない」と興奮して言われたという。