「結婚できる高所得層」「結婚できない中間層」の残酷すぎる格差
■妻の年収別に上方婚の割合を見ると… さらに詳細に、妻の年収別の割合を見ると以下の通りです。比較のために2012年と2022年で比べてみます。 まず、2012年で見ると、妻が無業および扶養内就業と思われる150万未満の場合は、当然ながら9割以上が上方婚となりますが、妻の年収があがるごとに上方婚の割合は減り、妻年収400万円台で上方婚率は29%ともっとも低くなります。しかし、妻の年収が500万よりあがればまた上方婚率もあがるというVの字型となり、妻の年収が700万円以上の場合は、上方婚率も75%に達します。
それが2022年になると、Vの字型ではなく、妻の年収があがればあがるほど上方婚率は下がる傾向になっています。これだけを見てしまうとこの10年で「上方婚」は減っているかのように錯覚してしまいますが、これは各年収単位での構成比であり、実数ではありません。 20代での結婚の年収ボリュームゾーンは300万~400万円台です。妻年収300万円台の上方婚率は、2012年の47%から2022年は66%へと大きく増えています。また、妻400万円台においても同29%から39%へと増えています。つまり、妻の上方婚はそのボリューム層である中間層において増えていることを意味します。
これを夫の視点から見ると、結婚相手として選ばれる年収のハードルが中間層においてあがっていることになります。 ■キャリアを積むと相手に求める年収条件もあがる 具体的に、上方婚をした20代妻の年収別にどれくらい自分より稼いでいる夫と結婚しているのかを2022年就業構造基本調査から計算したものが以下になります。 無業の場合で470万円、扶養内150万円未満の場合で自分よりプラス364万円、もっとも低くて妻の年収400万~500万の場合で自分よりプラス200万円となっています。そして、600万円以上稼ぐ妻の場合は夫の経済力も高くプラス360万円です。