地震で亡くした愛娘が演奏するはずだったコンクール「一緒に連れて行ってくれた」天国から父へ届く音色
北陸放送
地震は当たり前の日常を過ごしていた人たちから明るい未来を奪いました。 4月1日で発生から3か月、今を生きている私たちが伝えていかなければならないことがあります。 【写真を見る】地震で亡くした愛娘が演奏するはずだったコンクール「一緒に連れて行ってくれた」天国から父へ届く音色 先月2日。昨年度のこども音楽コンクールで最優秀の文部科学大臣賞を受賞した小中学校による記念演奏会が東京で開かれました。 合奏部門で受賞したのは金沢大学附属小学校の弦楽合奏部の児童たち。曲はジョージ・ガーシュウィン作曲「パリのアメリカ人」です。 ただ、ビブラフォンを演奏する席には奏者の姿がありません。 5年生だった大間優香さん。元日の地震による土砂崩れで母・はる香さんと弟の泰介くん、湊介ちゃんとともに尊い命を亡くしました。 ■「読めるようになった時には嬉しそうに」 亡き娘の努力の跡残る楽譜 「正直あれから自分の中では時間は進んでいないというか…」 優香さんの父・大間圭介さん。珠洲市の妻の実家に帰省していた時に起きた突然の出来事でした。3か月経った今のほうが信じられないと話します。 去年、楽器の演奏を始めたばかりだったという優香さんは活発な女の子でした。 大間圭介さん 「音楽とかピアノを習っていたわけじゃないが、学校から帰ってきて、『お父さん弦楽合奏部に入りたい』ということで言ってきまして、それ聞いたときにはちょっとびっくりして…」 使い込まれた楽譜には、優香さんの努力の跡が残っていました。 大間圭介さん 「楽譜の読み方から最初苦労していたなという所もありますし、読めるようになったときはすごく嬉しそうに話していたことを覚えている」 ■優香さん参加の演奏が評価を受け…文部科学大臣賞に 去年11月、名古屋市で行われた中部日本決勝大会。 ビブラフォンを演奏する在りし日の優香さんの姿が映っています。 このときの演奏が選考会で評価され、今回、文部科学大臣賞を受賞しました。 大間圭介さん 「一緒に演奏に参加していたその音源が審査されたということだったので、もちろん地震で亡くなったんですけど、生きていたその頃の成果が優勝という結果につながったのは、本当に本当に心から嬉しかったですし、感動しましたね」