「真夜中の水族館」で何が? 水草を1本1本メンテナンス…"夜のペンギンの様子"も公開 AOAO SAPPOROの作業に密着 北海道札幌市
「人間のように何時間も続けて眠ることはなく、2~4秒の短い睡眠を何回も繰り返し、日中も夜も眠っている。立ったままや腹ばいで眠ったり、泳ぎながら眠ることもある。外敵や何かがあればすぐ起きられるようになっている」(AOAO SAPPORO 生物担当 楊 彩嘉さん)
再び、ネイチャーアクアリウムのメンテナンス。水槽から水草が次々と引き上げられていきますが、午前2時をまわっても終わりは全く見えません。 「これ自体はそんなに臭くはない。良いにおいがすると思う。『良いにおい』とは川で遊んでいた時の小さい時の記憶。生き物が好きで魚やカブトムシを家で飼う時に、良い環境で育って欲しいと木を入れたりカブトムシが隠れる場所を作っていた。それが大きくなりネイチャーアクアリウムの形になった」(本間さん) 午前3時。ようやく全体の3分の1の水草を抜きとりました。 しかし午前10時の開館までに植えなおしを終えなければなりません。やむなく残り3分の2は持ちこすことに決めました。 慎重な作業が続くなか、水槽の右半分では魚たちが眠りにつきました。 「もう1個、手前にいれようか?茂みの中に。グッと結構、中に入れてもいい」(本間さん)
夜が明けた午前6時30分。水草が抜かれた後に、次々と新しい苗が1つ1つ植えこまれて行きます。3分の1の植え替えが終わったのはタイムリミットの午前8時でした。 しかし入館者に美しい水槽を見てもらうため、「完璧」を目指します。 「『シペルス』の葉っぱが分かる?波で下に入ってる。それを上に『すっ』とやってほしい」(本間さん) 作業は開館1時間前の午前9時まで続きました。 「人工的にもちろん作ってはいるけれど、なるべく自然な環境に見せる。その感覚は自然の中から学んで表現している」(本間さん)
あれから1か月。水槽の底で生き物を支えるあの小さな水草は、びっしり水底を覆うまでに育っていました。 夜、水槽のそばに備え付けられたイスに脚を伸ばしてリラックスしている女性がいました。1週間に2回は訪れるといいます。 「ここに来ればいつでもきれいな状態で見られる。自分のリビングが1つ増えたような気がする」(週2回来館する女性) 高層ビルのなかに作られた小さな大自然。 「絵画じゃないけれど自然を見てもらうなかで、人の手を加える光景は不要な物かなと思っている。そこが夜勤にこだわる理由」(室井さん) 自然の美しさを求めるプロフェッショナルの仕事は、今夜も続きます。
UHB 北海道文化放送
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