ガザ・エジプト境界を掌握 イスラエル軍、緊張高まる
【エルサレム共同】イスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザとエジプトの境界地帯全域を掌握したと発表した。エジプトに通じるとみられる地下トンネル約20本を見つけたと主張した。軍が地上作戦をガザ最南部ラファで始めた6日以降、境界地帯ではエジプト軍との銃撃戦も発生しており、緊張がさらに高まりそうだ。 歴史が生んだ「世紀の難問」…イスラエル、パレスチナの争いはなぜ始まった 共同通信記者が基礎から解説
境界地帯は全長約14キロ、幅約100メートル。イスラエルは、イスラム組織ハマスが境界地帯の地下トンネルを通じてエジプト側から武器を密輸していると主張してきた。エジプトメディアによると、同国政府高官はトンネルの存在について「うそだ。ラファでの軍事的失敗を隠そうとしている」と反発した。 境界地帯は通称「フィラデルフィア回廊」と呼ばれる。軍によると、地下への入り口80カ所以上を発見し、トンネルにつながっているかどうか調べている。ロケット弾の発射台などハマスが設置したとされる構造物も確認した。 境界地帯を巡っては27日にイスラエル、エジプト両軍が銃撃戦になったと報じられ、エジプト軍は兵士1人が死亡したと発表していた。