トークショーに参加した新井監督（右）

　広島・新井貴浩監督（４７）が２２日、「ネッツトヨタ広島呉店」で行われたトークショーに参加。ここまで大補強を進めている巨人に対し、闘志を燃やした。９勝１３敗３分けと負け越した今季からのリベンジ策として、機動力を封印する可能性を匂わせるなど、相手に揺さぶりをかけた。 【写真】トークショーで楽しげな新井監督　オフならではの光景です 　胸に宿る対抗心に、早くも火が付いた。マイクを握った新井監督の言葉が、会場を熱気に包む。「来季、気になるチームは？」と問われると巨人の名を挙げた。「逆に楽しみです。“広島魂”で中央（東京）に負けないぞ、と」。相手球団の大型補強に臆するどころか、むしろ大歓迎した。 　巨人は今オフ、中日を自由契約となったマルティネスの獲得を発表。楽天を自由契約になった田中将とは基本合意に達し、ソフトバンクからは甲斐が加入。ビッグネームを加え、戦力アップを図っている。「すごい補強をされてるので。今年のセ・リーグの優勝チームだし、逆にもっと燃えます」。闘争意欲は大きくかきたてられている。 　カープにとってポイントになるのは、球界屈指の強肩捕手・甲斐と同一リーグで戦う点。新井監督は就任当初から機動力野球を掲げ、打者と走者の両面で相手バッテリーにプレッシャーをかける攻撃を繰り広げてきた。今季のチーム盗塁数はリーグ３位の６６個。昨年は同２位の７８個だった。 　得点力向上の鍵は、いかに機動力を駆使するかになると思われた。だが意外にも指揮官は「来年、もしかしたら全然動かさないかもしれない。いろいろ考えている。全部はしゃべらないけど」と不敵に笑った。 　今季のチーム打率はリーグワーストの・２３８で、５２本塁打は１２球団最少。長打が望めない状況を踏まえ、足を使って得点につなげる必要があった。「こっち（ベンチ）側からリスク覚悟で動かしていかないと、なかなか得点が入る気配がなかった」と話したように、走塁死は試合の流れを変えるというセオリーを承知した上でも、重い扉をこじ開けようと挑んだ。 　ただ、年が変われば別物。「『行くぞ、行くぞ』と見せかけて行きませんとか。今までは『行くぞ、行くぞ』と見せかけて行ってたから。しょうがなしに動かすことは、ない状況にしたいよね。（仕掛ける場面か否かを）見極めて押したり、引いたりできるのが理想」と語るも「発展途上の選手が多いから」と具体策は明かさなかった。 　昨季は巨人に１７勝８敗と大きく勝ち越したが、今季は９勝１３敗３分け。９月２８日にはマツダスタジアムで優勝を決められる屈辱も味わった。連覇阻止へ、腹案を温めながら最善の策を模索する。