生まれつき「両脚のない」女性(31)がギネス記録を更新!道端に放置された過去から、“スケートボード”で変わった人生とは
東京オリンピックから正式種目として採用され、パリオリンピックでも注目を集めた「スケートボード」。先日、生まれつき脚のない女性がスケートボードでの最長逆立ち記録の更新に成功し、『ギネスワールドレコーズ2025』に掲載されることが発表された。 【動画】プロ顔負けの「スケートボードスキル」を披露するカニャ・セッサーさん
アスリートだけでなく、俳優やモデルとしても活躍するカニャ・セッサーさん(31)。彼女は先日、スケートボードの上で逆立ちをしながら19.65秒間も両手で体を支え、スケートボードでの最長逆立ちのギネス記録の更新に成功。この記録はアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで達成され、『Guinness World Records』に掲載されているインタビューで彼女はこのように語っている。 「まさしく、自分の人生を変えたキャリアの瞬間のひとつだと思います。人々の目に触れる歴史をつくるなんて、私にとっては信じられないこと。私は次の世代に影響を与えることができたのですから」
さまざまなスポーツに挑戦
生まれつき脚のない彼女は幼児のときにタイのパクチョンの道端で発見され、通りかかった女性が病院へと運び、1998年までは看護師と病院の職員が彼女の面倒を見ていたという。そして5歳になってからは、アメリカ人の家族の養子となり、アメリカ・オレゴン州に移り住んだとのこと。 そしてアメリカでの子ども時代を振り返り、“言葉の壁”が大きな障害のひとつであったと語ったカニャさん。また指に水かきがあったため、何度も手術を受けていたそう。しかし、積極的で強い意志を持っている彼女はすぐに友達ができ、高校1年生まではチアリーディング部に所属していたという。 それからは車いすレースや車いすラグビー、水泳、アイスホッケーなど、さまざまなスポーツに参加。そしてスケートボードに出会った彼女は、そのスリルに魅了されたとのこと。 「初めてスケートボードに挑戦したのは、家のそばの坂道。最高に気持ちよかった!」 さらに「スケートボードはライフスタイルのひとつであり、制限がないような自由を感じる」とも語っており、2022年のデュー・ツアーの女子ストリート・アダプティブ・スケートボード部門(障害を持つスケーターの競技種目)では2位に輝いている。 「強くなることで気分が良くなる」というカニャさんは毎日スケートボードに乗り、ハイキングに出かけたり、自然の中に身を置いたりしているそう。彼女はこれまでの人生を振り返り、「人生に不安を抱えているのは、あなただけではありません。完璧に見える人でも、実はそうではないんです。そもそも完璧な人間なんていません。誰だって不安を抱えながら、それでも前を見据えて強く生きていくのです」と語り、すべての人の模範となることが大切だと明かした。
Harper's BAZAAR JP