後半12分、市立船橋高FW勝又悠月が右足で勝ち越しゴール(Taro YOSHIDA)

[12.14 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第2節 帝京大可児高 1-5 市立船橋高 時之栖うさぎ島G] “U-16日本一決定戦”2024 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16ルーキーリーグは14日、静岡県御殿場市の時之栖スポーツセンター うさぎ島グランドで予選リーグの第1節と第2節を行った。グループD第2節の帝京大可児高(東海2/岐阜)対市立船橋高(関東2/千葉)戦は市立船橋がFW勝又悠月のハットトリックの活躍などによって5-1で逆転勝ち。1勝1分の市立船橋は得失点差でグループ首位に立った。 　先制したのは帝京大可児だった。前半23分、FW坂口聖七が獲得した左CKをMF高津佐蒼樹が右足で蹴り込む。これがファーサイドのネットを直接揺らして1-0。徳島市立高(四国/徳島)との初戦で決勝点を決めている高津佐の2試合連続ゴールで帝京大可児がリードを奪った。 　だが、市立船橋は前半のうちに同点に追いつく。前半34分、MF福田一平が中盤で相手と入れ替わり、PAへラストパス。これでU-15日本代表MF田中優成が抜け出し、右足で同点ゴールを決めた。 　市立船橋はともにプレミアリーグでゴールを決めるなど、Aチームで揉まれてきた技巧派MF田中と快足FW勝又悠月が違いを示すような動き。同じくAチームで主軸のDF篠崎健人がU-16日本代表スペイン遠征のために不在でMF高山大世も欠く陣容だったが、個々の力が高く、「メンタリティも良い」(波多秀吾監督)というチームが試合をひっくり返す。 　後半12分、市立船橋は右FKのセカンドボールにMF島村康生が反応。PAへ抜けたボールに勝又が鋭く反応し、右足で勝ち越し点を叩き出した。帝京大可児はCB板頭一磨からボールを繋ぎ、高津佐やMF今鷹叶、FW松井音羽らが中央から連動した崩しにチャレンジ。これに坂口の仕掛けやFW持山圭佐の左足シュートなどを交え、反撃した。 　だが、市立船橋は右SB菊池瑠斗の鋭いインターセプトやCB奥田郁哉の跳ね返しなどで対応。そして、オープンな展開となった試合終盤、市立船橋が得点力で差を生み出した。後半33分、相手のミスパスをインターセプトしたFW末永悠晴が右足シュートを右隅に決めて3-1。さらに34分には、MF孫本晟馬から田中が繋ぎ、最後はPAへ抜け出した勝又が「結構コースがなくて。でも、練習通り決められた」と右足で決めた。 　さらに35+3分、左SB俣野寛太とのパス交換から「ボールが出てくるかどうか微妙なとこだったんですけど、仲間がいいバスを出してくれた」という勝又が右足で決めてハットトリック達成。0-0で引き分けた尚志高(東北1/福島)との初戦を「ビッグチャンスっていうのはあったんですけど、それも自分で作り出すぐらいじゃないとダメ」と振り返る10番が、悔しさもエネルギーに結果を残した。 　勝又はPK戦で敗れた選手権千葉県予選準決勝・日体大柏高戦で途中出場。スペースへの動きでボールを収めるなど、チームの攻撃を好転させたが、勝利に繋げることができなかった。この日はインパクト十分の動き。篠崎や田中のように年代別日本代表入りも期待されるが、「自分はまだそのレベルじゃない。守備はだいぶ課題なんで。でも市船っていうチームは守備大事にしてるんで、3年掛けて磨いていけたら」と課題を改善して可能性を広げることを誓っていた。 　今後、「少ないチャンスをものにできるFWになりたい。市船のエースになっていけるように」と意気込むストライカーが、MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16で得点と白星を重ねるか。名門の1年生たちがMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16初優勝を果たし、自信をつける。