資産家コーエン氏、NY市カジノの野望が暗礁に-不可欠な法案望めず
(ブルームバーグ): 資産家スティーブ・コーエン氏が80億ドル(約1兆2600億円)規模で計画するカジノとエンターテインメントの複合施設建設は、暗礁に乗り上げそうだ。このプロジェクトを前進させるのに必要な法案を提出しないと、地元ニューヨーク市クイーンズ地区選出の州上院議員は表明した。
大リーグのメッツを所有するコーエン氏は、チームのホームグラウンドであるシティ・フィールドの隣を建設地としてこのプロジェクトを計画している。民主党の進歩派議員、ジェシカ・ラモス氏が法案提出を否定したことにより、コーエン氏がニューヨーク市地域にカジノを建てる州のライセンスを取得するのは、絶望的となる可能性がある。州が保有する公園の土地に商業目的の駐車場を建設する上で、この法案は不可欠とされている。
ラモス議員は28日の声明で「コロナ地区の公園をカジノに使用する法案を提出するつもりはない」と言明。有権者は「投資と機会」を求めると同時に「緑地とレクリエーションを強く望んでいる」と同議員は指摘。「その引き換えとして、われわれの裏庭にカジノの建設を容認せざるを得ない」という前提には、同意しかねると付け加えた。
地元選出議員の多くはすでにコーエン氏の計画に支持を表明しているが、ラモス氏は数カ月前から見解を保留。コーエン氏と同氏のプロジェクトチームは賛同を取り付けようと動いてきた。
ヘッジファンド運営で財を成したコーエン氏は昨年末、ハードロック・インターナショナルと提携し、カジノとエンターテインメントの複合施設「メトロポリタン・パーク」を建設する計画を明らかにした。
メトロポリタン・パーク側の広報担当者、カール・リケット氏は「われわれは実現を諦めていない。2万3000人を雇用し、80億ドルの投資とコミュニティーへの著しい利益を可能にする現実的な経済的原動力は、カジノしかない」と述べた。
原題:Steve Cohen’s $8 Billion Casino Plan Dealt Blow by Key Lawmaker(抜粋)
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Laura Nahmias