「前よりいい感じ」渋野日向子が日本で“狂い”を整理 全英前哨戦に手ごたえ
<ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン 事前情報◇14日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6584ヤード・パー72> カメラにウインクする原英莉花【写真】 澄み切った青空が広がり、落ち着いたコンディションとなったプロアマの水曜日。「北海道meijiカップ」出場のため一時帰国していた渋野日向子が、スコットランドで再び元気な姿を見せた。 今季初出場だった日本ツアーは予選落ちと悔しい結果に終わったものの、「3日間戦えなかったんですが、楽しくできた」と笑顔で振り返った。試合後は「家でゆっくりしました」と休息に充て、米国女子ツアーに戻ってきた。「丸々一週間の休みは久しぶり。練習とトレーニングをしましたが(調子が)全然違う」と話す渋野は、このオープンウィークにあるきっかけを掴んだ。 今季は序盤こそ苦戦が続いたが、「全米女子オープン」で2位に入ると、それ以降はmeijiカップまで8試合連続で予選落ちがなかった。ただ、「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でトップ10の7位に入ってからは、なかなか上位に食い込めない状況が続いていた。 「meijiカップの時もショットのイメージが湧かないみたいな。全米オープンの時と打ってる球質が違いすぎて、だんだん狂い出していた。1週間のオフで、頭の中で整理できたかなと感じていています」と束の間のオフで完全にリフレッシュ。実際、 朝の練習やプロアマでは「ショットは明らかに前よりいい感じだと思えたので、これを試合でできるか」と手ごたえを感じている。 昨年大会は初日「64」、2日目「68」で首位で週末に向かうも、3日目に失速し16位に終わった。「トップ10にも入れなかったのでショックでした。それまで全然調子がよくなかったから、『なんで急に』という感じだったけど、残りの2日間はもったいなかった。やっぱり悔しい思いがある」と回想。初日のロケットスタートも「よくこんなコースで出たなあ(笑)」と“シブコ節”を効かせつつ、首を傾げた。 リベンジといきたいところだが、初日はあいにくの雨予報。開幕前日のこの日は穏やかな天候だったが、火曜日には猛烈な雨風が吹き、リンクスが選手に牙を剥いた。そんなこともあり「これくらい気持ちよくできたらいいんですが…。風やら雨やらいろいろあるので受け入れるしかない。ドライバーでキャリー200ヤード行くのかな(笑)。冷静になってできたらと思います」と、難コンディションが予想される初日へ気持ちを据えた。 来週はセントアンドリュースでの「AIG女子オープン」(全英)が控え、今大会は前哨戦でもある。2019年の全英を制してスター階段を駆け上がった渋野。「なんか違う思いもあるかな」と、英国はどことなく“縁”を感じる地でもある。「昨年の悔しい思いを晴らせるように頑張ります」。リベンジを果たし、メジャー今季最終戦への弾みをつけたい。(文・齊藤啓介)