独自の演目「雌虎」お披露目 “存続の危機”にあった東北の郷土芸能『虎舞』を神戸で継承 活動続ける女性ダンサー「これからもっと磨いていく」
女性の踊り手だけで舞う演目「雌虎」に挑む
節目の公演に向けての準備が進む中で、いはらさんたちは女性の踊り手だけで舞う演目「雌虎(めとら)」の創作に取り組んでいました。東北の虎舞では、伝統的に踊り手は男性のみ。『阪神虎舞』独自の挑戦です。 (いはらみくさん)「前の人が動かないで、後ろの人がちょっと揺れたほうが動いているように見えるんじゃない?」 2人の踊り手の息を合わせ、俊敏さや艶めかしさなど女性的な雰囲気をどう醸しだすのか、模索を続けます。 迎えた公演本番。複数の虎が戯れる様子をあらわした「遊び虎」や、傷を負った虎が暴れ回るさまをあらわした「跳ね虎」など、既存のダイナミックな演目が会場を盛り上げます。 そしていよいよ、いはらさんが「雌虎」をお披露目する時が来ました。奥ゆかしさを感じさせる舞。“内に秘めた意思”も表現します。伝統と、斬新な世界観が融合された演舞が会場を魅了しました。 (観客)「迫力があってよかったですね。すごく一生懸命やられているので、それを見るとこちらまですごく胸に来るものがありました」 (観客)「獅子舞はよく見るんですけど虎舞は見たことがなかったので、めちゃくちゃカッコよかったです。(郷土芸能を)保存したりとか継承していくために、そこの場所だけじゃなくて他の場所でやるというのは、すごくいいアイデアだなと思いました」 (いはらみくさん)「緊張感がすごくて、練習でやっている時よりも時間があっという間に過ぎたし、大丈夫かな?イケてるかな?みたいな不安は正直あったんですけど、みなさんにすごく優しい目で見ていただいたので。これからもっともっと磨いていくものだと思っているので、どんどんステップアップしていけたらいいかなと思います。第一歩はいけたかな」 東北の大震災を乗り越えた、虎舞。独自の進化をとげ、神戸にも根付こうとしています。