ジム臨時休業、ビュッフェ休止…… 新型コロナに苦悩する業界
ジム、営業再開も「利用者減」
スポーツジム業界では、一定期間の休業の後、営業を再開する動きが出ています。 フィットネスクラブ約2000店舗を運営するカーブスジャパンでは、安倍首相会見などを受けて3月8日から15日までの間、全施設を臨時休業しています。休業期間中は、各施設内を改めて消毒したほか、室内の換気方法の改善策の検討なども行ったそうです。 同社は臨時休業前にも、2月末までにコーチ約8000人を対象に感染予防の研修を実施したほか、3月2日からは、80歳以上や、高血圧を抱えるなど、重症化するリスクが高いとされる会員には3月中休会してもらい、その間の会費を無料とする措置を講じました。広報担当者によると「こういう時期だからこそ運動をして免疫力を高めたい、と望む会員の皆さまの声もたくさんあります」とのことで、16日から営業を再開 する方針です。
全国に243のフィットネスクラブを展開するセントラルスポーツでも、3月3日から一部施設を除いて臨時休業しています。各施設内の清掃を徹底 した後、11日から直営の179施設を含む多くの施設で営業を再開しました。再開後は、会員向けに手や指の消毒用のアルコールを用意するほか、利用人数次第で館内の清掃頻度を増やすなどの感染拡大予防策を実施しています。同社の広報担当者は、「施設にもよりますが、利用者は、新型コロナウイルスの流行前よりも減っているようです」とのことです。
カラオケ、タクシー業界でも予防策
カラオケ業界各社では、従業員のマスク着用や手洗い・うがいの励行、客室のドアノブやマイクなどのアルコール消毒 など、大手各社は ほぼ同様の対策を取っています。「カラオケまねきねこ」を運営するコシダカの広報担当者は「営業面は芳しくない状態です。この時期に多い歓送迎会などの団体予約がキャンセルされるケースもあります。早く収束してほしいです」と案じます。
この他、タクシー乗務員の感染事例のあったタクシー業界でも、対策に力を入れています。東京都内の法人タクシーの業界団体「東京ハイヤー・タクシー協会」は2月14日、会員事業者に対して、乗客が降りたあとの車内消毒や乗務員の健康管理など、感染予防策の徹底を要請しました。また、タクシー乗務員用のマスクが不足している状況を受け、協会が独自にマスクを入手し、会員事業者に配布しています。 東京のタクシー大手の大和自動車交通では、勤務前に乗務員の体温をチェックし、37度以上の発熱があった場合は乗務させないようにしています。車内消毒や手洗いの徹底などにも努めるほか、車の窓を少し開けて換気しながらの走行も行っているそうです。同社担当者は「3月に入ってから営業収入がさらに厳しい状況になりました。テレワークが増えたためでしょうか。東京都心では人が減っています」としています。