「大川原化工機」起訴取り消し、捜査書類を破棄した容疑で公安部捜査員ら3人を書類送検
横浜市の精密機械製造会社「大川原化工機」の社長らが外為法違反容疑で逮捕された後、起訴が取り消された事件を巡り、警視庁は20日、捜査書類を破棄するなどしたとして、同庁公安部の当時の捜査員ら3人を公用文書毀棄(きき)や虚偽有印公文書作成・同行使容疑で東京地検に書類送検した。
警視庁は書類送検に際して付けた意見を明らかにしていないが、捜査関係者によると、刑事処分の判断を検察に委ねる「相当処分」としたとみられる。
警視庁幹部によると、書類送検されたのは、捜査を担当した当時の警部と警部補、巡査部長の3人。警部と巡査部長は2019年5月、同社製の噴霧乾燥機の温度実験で、立件に不利なデータを除外した虚偽の捜査報告書を作成したとして、警部と警部補は20年3月、同社元取締役への「弁解録取」の手続き中、元取締役が署名した調書を破棄するなどしたとして、それぞれ今年3~4月に刑事告発されていた。
同社の社長らが東京都と国に損害賠償を求めた訴訟では、昨年12月の1審・東京地裁判決が、逮捕と起訴を違法と認定。原告側、被告側双方が控訴し、東京高裁で審理が続いている。