【速報】ビモータがEICMAでのアンベールを予告! SBKレーサー「KB998」のストリートバージョンか!?
ビモータの魂が宿るフレーム
KB998のエンジンベースは先にも触れたようにZX-10RRであり、ノーマルでもラムエア加圧時に154.5kW (210PS) / 13600rpmという強烈なパワーを発生する。ストリートバージョンのKB998に搭載される際にも、あくまでも公道仕様であることを考えると大幅に手が入れられることは無いだろう。 KB998で注目べきは、やはり車体周り、それもフレームであろう。タンブリーニがカジバに移籍して以降はアルミフレームモデルを数多く生産したビモータだが、KB4においてはフロント部分を高強度鋼製トレリスフレームとし、エンジンをフレームの一部とした上で削り出しのスイングアームピボットプレートを組み合わせる。公開されている写真を見る限り、KB998も鋼管トレリスフレームとアルミを組み合わせたフレーム構造を採用しているようだ。モトGPの世界においてもドゥカティやKTMがこうした鋼管トレリスフレームとアルミやカーボンを組み合わせたフレームで一定の結果を残しており、いわゆる「鉄フレーム」が過去のものではないことを証明している。実際このKB998は、ヘレスでのテストにおいてこのフレームの戦闘力の高さを証明したと言えるだろう。 スイングアームはアルミ製で、おそらくはKB4同様に削り出し部品を溶接したもの。KB4では3ピースだったが、溶接跡を見る限りLB998では4ピースになっているようだ。スイングアームの内側はリブを残して大きく肉抜きがされており、軽さと強度を両立している。トップブリッジも美しく肉抜きされ、その加工精度の高さはさすがビモータと言えるクオリティだ。 アッパーカウルのフォルムはどことなくZX-10Rを思い起こさせる逆スラントフェイスを採用しており、公道バージョンもこのデザインを引き継ぐことにかるだろう。サイドにはカーボン製のウイングレットが装着されており、これはH2Rに装着されていたものに近い形状。ライバルと言えるヤマハYZF-R1やBMW S1000RR、ドゥカティ パニガーレV4Rなどがウイングレットを装着してきているので、当然これは市販車にも装着されるだろう。 KB998のSBK仕様にはフロントフォークにショーワ製の倒立タイプが装着されており、ブレーキはブレンボ製だ。リアショックは確認できないがショーワ製と考えるべきだろう。現行のZX-10Rにはフロントがインナーチューブ径43mmのショーワ製のBFF、リアがショーワ製のBFRC liteが装着されているので、KB998のストリートバージョンにもこの組み合わせが装着される可能性が高い。ブレーキに関しても、ZX-10Rに採用されているラジアルマウントのブレンボ製M50モノブロックあたりが適切だろう。
ストリートバージョンは限定か量産か?
SBKのレギュレーション上、ロードゴーイング仕様のデリバリーが必要になるので「KB998」の公道仕様は100%発売される。ただ、ホモロゲーションギリギリの台数しか製造されない限定モデルとなるのか、ある程度の量産を考えたモデルとなるのかは今の所まったくわからない。 いずれにしてもビモータとカワサキがSBKのチャンピオンを取るために開発したこのKB998、実車を写を見てガッカリということはありえない。現地時間11月5日の11時45分にアンベールされるのはおそらくこのKB998のストリートバージョンなので、まずはパソコンの前で情報を待つことにしたい。
後藤秀之