【解説】2024年は過去3番目の地震の多さ…震度1以上は全国で3600回 地震マップで見るとよくわかる、今年“揺れた”エリア
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最大震度7の「能登半島地震」から始まった2024年。比較可能な20年間でみると、3番目に地震の数が多い年となりました。なぜ今年は地震が多かったのか、どのエリアが揺れたのか。地震の位置を記したマップと照らし合わせながら、社会部災害担当・藤吉有咲記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■岩手県沖で震度3の地震
12月9日から15日までの期間、国内で震度1以上の地震は31回ありました。 ▼12月9日午後9時ごろ、岩手県沖を震源とする最大震度3の地震がありました。地震の規模を示すマグニチュードは4.4、深さは20キロでした。
■2024年は地震の多い年に?
最大震度7の巨大地震で始まった2024年。その後も地震のニュースが多かったように感じる方もいるかもしれません。実際に地震回数で見ても、2024年は地震が多い年でした。
比較可能な20年間で、全国の地震回数(震度1以上)を示したグラフです。今年は1月から12月15日までに、約3600回の地震がありました。 この20年で一番地震回数が多いのは、マグニチュード9.0の東日本大震災の地震があった2011年です。次いで熊本地震がおきた2016年が多くなっています。大きな地震の後には地震活動が活発になり回数が増えるのです。 今年は元日の能登半島地震の影響で、20年間で過去3番目に地震の数が多くなっています。
日本全国、あらゆる地域で地震が発生していたことが分かります。震度4以上の地震にしぼって見てみると、能登半島とその周辺で、大きな地震が重なっていることが分かります。
■有感地震2000回以上、能登半島を拡大
能登半島とその周辺では、元日に発生したマグニチュード7.6の地震以降、これまでに2000回以上の有感地震が発生しています。 元日の地震はおよそ150kmにおよぶ「能登半島北岸断層帯」などによって発生しました。地震の分布をみると、断層にそって地震が発生しているのが一目瞭然です。 その後、地震の数は減少していましたが、11月26日に石川県西方沖で地震があり、震度5弱を観測しました。地震の規模は元日の地震以降で最も大きいマグニチュード6.6でした。 この近くには「羽咋沖(はくいおき)西断層」と呼ばれる活断層があり、11月以降の地震はこの断層に沿って発生しているように見えます。ただ、海底のため調査は難しく詳しい関連性はまだ分かっていません。 能登半島周辺の地域では2020年12月ごろから地震活動が活発になっています。この4年にわたる地震活動の1つとみても良いかもしれません。 ただ、政府の地震調査委員会の平田直委員長は“活発な地震が4年続くだけでなく、大きな地震が半年に1回程度起きるのは、これまでに経験したことがない”と話しています。来年も大きな揺れと津波に注意して、備えておくことが重要となります。