プーチン氏、きょう年末記者会見 ウクライナ情勢や米露関係への言及焦点
ロシアのプーチン大統領は19日、国内外のメディアを集めた毎年恒例の年末記者会見を首都モスクワで開く。年末会見に合わせ、ビデオ電話形式で国民の質問や要望に応える行事「直接対話」も行う。ロシアによるウクライナ侵略が来年2月で3年の節目を迎えるのを前に、プーチン氏はウクライナの戦場での露軍の優勢や国内経済の堅調さを誇示する見通しだ。 【写真】モスクワでロシア軍幹部らが死亡した爆発の現場 今回の年末会見では、ウクライナとの停戦の見通しや、トランプ次期米大統領の就任に伴う米露関係の先行き、ロシアを後ろ盾としてきたアサド政権が崩壊したシリア情勢など幅広い国際問題に関してプーチン氏がどのような発言をするかが焦点となる。対日関係に言及する可能性もある。 2022年2月のウクライナ侵略の開始後、プーチン氏が年末会見と直接対話を同時に開催するのは昨年12月に続いて2回目。侵略開始前、プーチン氏は両行事を原則として年1回、別々に行ってきたが、22年はともに開催を見送った。当時は露軍がウクライナ軍の反撃に直面して各戦線で後退しており、プーチン氏は公の場で露軍の劣勢を指摘されることを回避したとの見方が強い。 プーチン氏が昨年に続き今年も両行事を開催する背景には、主戦場のウクライナ東部で露軍の前進が続く中、「戦勝」への自信を深めていることがあるとみられる。 タス通信によると、直接対話には18日時点で電話やインターネットを通じて150万件以上の質問や要望が寄せられた。プーチン氏は国民が抱える問題を自ら解決する姿勢を示し、国民に寄り添う指導者像を演出する。(小野田雄一)