ファミリーマートのコンビニエンスウェアは新たなステージへ
コンビニエンスウェアの新たなステージ
普段着として、また急を要するときに、コンビニでコーディネートの一式が揃うとなれば、私たちのコンビニの捉え方も刷新していかなければならないだろう。そして、コンビニエンスウェアも次のステージに進んでいるのだと教えてくれるのが、麻布台ヒルズ店の限定商品だ。 ファッションショーでお披露目された数多くの商品が、このファミマ!!麻布台ヒルズ店で展示されている。コンビニがファッションショーをすること自体が異例のことだが、さらに販売するとなると、展示スペースの確保が課題となる。 「通常2~3台の売り場を11台まで拡大し、ハンガー陳列の商品をコンビニで本格的に販売することは大きなチャレンジなので、1店舗限定にて販売しました」 なるほど、コンビニでは食料品や雑誌、文房具、化粧品など多様なラインナップを置かねばならず、その売り場の多くを衣服で占めるのは非常に難しい。だからこそ、店舗限定という手段を取る必要があったようだ。 そのような戦略だからこそ、魅力的な限定商品を購入することができる。デニムジャケットやフライトジャケット、サロペットなど、これらがコンビニエンスウェアだと気づく人はどれほどいるだろうか。おそらく大半の人が分からないはずだ。それほどまでに高クオリティで、ハイセンスなデザインに仕上がっている。
「ファッションアイテムとしてベーシックなものであること、幅広いお客様が着用できることを想定した」と須貝さんは語っており、これまでの商品と同様に「ファセッタズム(FACETASM)」のデザイナー落合宏理氏との共同でアイテムの選定や開発が進められた。 すでにお気づきかもしれないが、狙い通りファッションショーで注目を集めており、販売当日にはファッションに目がない多くの人が麻布台ヒルズ店を訪れたため、すでに商品の一部は完売という状態となっている。追加分が納品されるまで待つという希望者もいて、いくつかの商品については全国展開も視野に入れる可能性があるとのこと。 ファミリーマートはどこに向かうのか。須貝さんは、コンビニエンスウェアの展望について、次のように語っている。 「おむすびやコーヒーをコンビニで買うことが日常になったように、『コンビニで衣料品を買う文化』の定着を目指しています」 コンビニ業界初のファッションショーに加え、コンビニエンスウェアの拡充。今後、他のコンビニも追随していくことになるのだろうか。しかしそのころには、ファミリーマートはさらに先を走っていることだろう。