「エッグヘッド編特有のシルエットを大事にしました」『ONE PIECE』キャラに扮したレイヤーたちに聞いた“コスプレのこだわり”
世界最大規模のコスプレの祭典として知られ、8月2日~4日の3日間で25万3700人が来場した『世界コスプレサミット2024』。愛知・栄周辺エリアで行われた同イベントで、『少年ジャンプ』作品のキャラクターに扮したコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。 【写真】「戦闘で衣装が破れた状態のシズクを再現」という『HUNTER×HUNTER』幻影旅団団員に扮したコスプレイヤー(全11枚)
コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”
コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。 そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では2024年8月以降に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。 ここでピックアップするのは、世界最大規模のコスプレの祭典として知られ、8月2日~4日の3日間で25万3700人が来場した大型イベント『世界コスプレサミット2024』に参加していた『少年ジャンプ』および、『少年ジャンプ+』作品のキャラクターに扮するコスプレイヤーたち。 現在連載中の作品はもちろん、かつて連載していた作品の中にもコスプレ人気の高い作品は多く、『チェンソーマン』や『僕のヒーローアカデミア』、『幽☆遊☆白書』など、新旧さまざまなタイトルのヒロインたちが集結。 また、『ONE PIECE』に登場するDr.ベガパンク同士での併せや、『HUNTER×HUNTER』に登場する幻影旅団メンバーでの併せなど、大人数での撮影&交流を楽しんでいたグループもいて、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。 * 「友達と大人数併せをしようということになり、靴や小物をすべて自作で用意しました。造形に関しては、エッグヘッド編特有のシルエットを大事にしてます。個性的なお団子ツインテールの髪型は、毛束を別々で作り、セットする際に取りつける方法で再現しました」(『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【06:欲[ヨーク]】/伽也さん) 「耳の通信機は、原作のサイズ感と自分の顔を照らし合わせながら、ちょうどいい大きさになるよう制作したものになります。それともう一点、今回は身体作りもがんばりました。リリスの体型を再現できるよう、半年前から筋トレや食事の調整をして仕上げています」(『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【02:悪[リリス]】/shioさん) 「今回のコスプレは頭から足先のパーツまで、すべて自作で用意しました。未来感を演出するためにエナメル生地を使い、光沢感たっぷりの衣装に仕上げています。耳や尻尾には柔らかなボア生地を取り入れて、質感にもとことんこだわりました。靴は浮遊感を出すために10cm以上の塩ビ管を内部に仕込んでいて、夜には足元が輝くように電飾も仕込んでいるので、こちらも注目してほしいポイントです」(『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【05:暴[アトラス]】/白子あこさん) 「こだわったポイントは特徴的な髪型の再現です。かなり難度が高めの髪型なので、試行錯誤しながらポニーテールを結い上げています。ボリュームもあったのでワッフルアイロンを使いながら、この形に整えました。それともう一点、今回は暑さ対策にも気をつけています。会場周辺の気温は40度を超えると予想されていたので、使い捨てのひんやりタオルや冷えピタを大量に用意して、見えない位置に貼ってなんとか暑さを凌ぎました」(『HUNTER×HUNTER』マチ/おじょさん) 「戦闘で衣装が破れた状態のシズクを再現してみました。原作コミックと照らし合わせながら破損する位置を確認して、破ったり縫い合わせたりしながら、こちらの形に仕上げました。掃除機のデメちゃんは、本物の掃除機を改造して作ったものです」(『HUNTER×HUNTER』シズク/まっぴさん) 「こちらのコスプレでは、キツめのメイクとウィッグの造形にこだわりました」(『HUNTER×HUNTER』パクノダ/めぇめぇさん) 「メイクに重点を置いて、キャラクターの目の形や雰囲気を再現することを意識しました。マキマは強く、ただ立っているだけでも独特のオーラを放つ女性なので、大人っぽいメイクにすることでそうした面を強調してみたつもりです。まつ毛は下がり気味にしつつ、より濃く見えるようにしたのもこだわったポイント。また、今回はセクシーな装いなので、露出対策もしっかり行いました。不透過のタイツを履き、バニースーツの下には似た色味のインナーも着用しています」(『チェンソーマン』マキマ/Minoさん) 「こだわったポイントは、ミルコの肌色を再現するために褐色メイクをしたことです。ファンデーションとドーランでこちらの色味に仕上げました。ちなみに褐色肌だと通常のコスプレメイクではなじんでしまうので、いつもより濃い目のメイクをして、ハイライトにも白肌ファンデを使うなど、色味のメリハリには気をつけました」(『僕のヒーローアカデミア』ミルコ/かえるちゃんさん) 「露出対策として衣装の下には黄色の水着を着て、脚をきれいに見せたいという狙いもあり、光沢のあるタイツも着用しています。メイクに関しては、眉毛には赤のアイライナーを、目尻には紫のアイライナーを使い、瑠架ならではの目元を表現しています。衣装表面の束呪縄(そくじゅじょう:縄を巻き付けたような装飾)は、3本の紐を編んで長さと太さを出しましたが、よく絡まる上、仕上がりもいまいちだったので、こちらの改善が今後の課題です」(『幽☆遊☆白書』瑠架/波紅偉織理さん) * QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。
文・撮影=ソムタム田井