明誠が悲願の初V…高校サッカー島根大会、圧倒5発益田東破る
第103回全国高校サッカー選手権大会島根県大会(県サッカー協会、日本海テレビなど主催、読売新聞社後援)の決勝が9日、益田市の県立サッカー場であり、明誠が5―1で益田東を破って悲願の初優勝を果たした。全国大会は12月28日から首都圏で行われる。(桃田純平) 【画像】チーム3点目のシュートを放つ明誠の池田選手(中央)
ともに初優勝を狙う益田勢同士の対戦となった決勝は、明誠が全国への切符を手にした。 明誠は開始直後に先制を許したが、11分に相手のハンドで得たPKをMF大谷俊太主将が決めて同点に追いつくと、直後の12分、パスをもらったMF荒冷大翔選手がダイレクトで左足を振り抜いて逆転に成功。その後も明誠のペースで試合が進み、35分には相手の裏へ抜け出したエースのFW池田龍心選手がシュートを決め、後半にも2点を加えて引き離した。 明誠の白谷建人監督は「選手は大会を通してよくここまで成長してくれた。ぶれずに練習してきた成果だと思う」と振り返った。全国大会については「ボールを保持し続けることを恐れない自分たちのサッカーを変わらずしていきたい」と意気込んだ。 2年連続で決勝に進んだ益田東の野呂龍仁監督は「相手の攻撃のテンポや守備の出足が速く、完敗だった。単純にうちの選手の力不足だった」と悔しさをにじませた。
2年生エース大暴れ2得点…池田龍心選手
2点リードの50分、相手GKの動きを冷静に判断し、コーナーキックからのこぼれ球を押し込んだ。自身が出場した準決勝までの3試合全てで得点を決めていた2年生エースは、決勝という大舞台でも2得点の大暴れを見せた。 益田市出身で、「兄と一緒にピッチに立ちたい」と2歳年上の兄の背中を追いかけて、地元の明誠高校に進学。入学直後からフォワードとしてレギュラーを勝ち取ったが、昨年度の県大会はベスト8に終わった。兄と一緒に全国大会の舞台に立てず、「次は必ず優勝する」と誓った。 新チームとなり、監督から「お前がエースだぞ」と言われ、チームを引っ張っていく意識が芽生えた。筋トレや食事量を増やすなど体作りに力を入れた結果、球際に強くなり、体の大きい上級生が相手でもボールを持ち続けられるようになった。 決勝前は緊張から、「練習でほとんどシュートが決まらなかった」が、試合開始早々に先制されても「2、3点ぐらいなら返せる」と落ち着いてプレーできた。 「全国大会では、明誠のストライカーとしてチームを引っ張り、3年生が最後も笑っていられるようにしたい」。そう語る背番号10は、さらなる高みへ闘志を燃やす。