免許取得前に「私有地でコソ練」はあり? 法的な解釈を考えてみた
私有地内でも公共の場所とみなされれば無免許運転となる
運転免許を取得するときに事前練習できたらいいのに……と思う方も多いのではないでしょうか。今回は、運転免許を取得する前に私有地などで練習してもいいのか解説します。 【写真】こんなのいるのか! 教習車にしか存在しない激レアマシンとは
公共の場としてみなされる場合にはアウト
運転免許を取得する前に私有地で練習しようと考えたり、私有地なら大丈夫と聞いたりしたことがある方も多いでしょう。しかし、私有地で運転の練習をすると、無免許運転とみなされる場合があります。 私有地での練習でポイントとなるのは、土地の所有者ではなく、土地が公共の場所としてみなされるかどうかという点です。 たとえば、私有地ではあるものの、他人が通行のために行き来するような場所は公共性が高い場所とみなされ、無免許運転となる場合があります。 一方、完全に誰も立ち入ることができない閉ざされた場所であれば、公共の場所としてみなされないため練習は可能です。ただ、他人が立ち入ることがなく、公共性が高くない場所はほとんどないといえるでしょう。そのため、一般的に私有地と言われる場所で免許取得前に事前練習すると、無免許運転になる可能性が非常に高いといえます。
練習できたとしても……
もし、誰も立ち入ることかできない閉ざされた場所を確保することができ、運転の練習ができる状況になったとしても、知人や親など安全運転のプロでない人から教えてもらうのは避けたほうがいいでしょう。 たしかに、事前練習することができれば、運転上達の近道になるかもしれません。ただ、運転できることと、安全な運転ができることは似て非なるものです。そのため、安全運転の知識や技術を教えることを専門としている教習所で練習したほうが、結果的に近道だったということもあります。
「私有地で練習しちゃった」という人はいる
筆者が教習指導員として教習所で勤務していたとき、私有地でクルマを運転したことがあるという教習生に出会ったことがあります。正しくは、「どこかで練習してきたな……」という運転をしていることを見抜いたのですが、あえてどこで練習したのか聞きませんでした。 いち早く免許を取得するためにダメだとわかっていながら事前練習してしまう気もちはよくわかります。しかし、事前練習で変なクセが付いてしまうと矯正するのが大変です。そのため、運転の練習は練習すべき場所(教習所)で行い、安全運転の指導を仕事としている教習指導員等に任せたほうがいいといえるでしょう。
免許取得前に運転の練習ができる場所はほぼない
運転免許取得前に運転の練習ができる場所(いわゆる私有地)は、ほとんどありません。他人が入ることができないよう完全に閉ざされた場所であれば練習することはできますが、このような場所は非常に少なく限られています。 公共の場所とみなされる可能性がある場所で運転の練習をして無免許運転で検挙されないためにも、練習すべき場所(教習所)で安全運転のプロから運転を教わりましょう。
齊藤優太