相手をリスペクトして戦う吉成名高は試合後、Xに「戦えてよかった」と記した

＜BOM（ザ・バトル・オブ・ムエタイ）：49大会＞◇13日◇東京・Spotify O－EAST 　ムエタイVSクンクメール（ムエタイと同様のルールでおこなわれるカンボジアの立ち技打撃格闘技）の3対3の対抗戦が行われ、吉成名高（23＝エイワスポーツジム）と奥脇竜哉（24＝エイワスポーツジム）が勝利した“ムエタイ軍”が2勝1分けで、カンボジアから乗り込んできた“クンクメール軍”に勝利した。 　ムエタイ軍は先鋒の品川朝陽（22＝エイワスポーツジム）がフェザー級マッチでトゥーン・ファニス（カンボジア）を相手にいきなり苦戦した。1R立ち上がりに相手右ローに合わせた左フックで早々にダウンを奪った。楽勝かと思われたが、その後はなりふり構わず「組みついてヒザ」を徹底してきたファニスの前に有効な攻撃を与えることができず、ドローに持ち込まれた。 　だが、これで火が付いたムエタイ軍は「朝陽と名高より絶対インパクトある勝ち方をしたい」と話していた中堅の奥脇（フライ級）が強烈なカーフキックでプロウン・ソシェット（カンボジア）を歩行不能にして1RKO勝ち。 　さらに大将・吉成（スーパーフライ級）もボーン・ポンレック（カンボジア）に何もさせず完勝。3Rに首相撲からのヒザ連打→パンチ連打で相手が動けなくなったところでレフェリーが試合を止めた。 　吉成が試合後のリングで「ムエタイとクンクメール、どっちが発祥かという論争が起きていると思うんですけど、ムエタイもクンクメールも本当に素晴らしい格闘技、競技、スポーツだと思っているので、クンクメールのチームの皆さんにも拍手をお願いします」と呼びかけると大きな拍手が起こった。 　吉成は「クンクメールが本気で勝ちに来てるなって感じましたし、1Rめのバックキックもちょっと見えづらくて。反応はできてましたけど。あとは（体が）丸まって、効いたっていうタイミングで打ってきたり、タイミングがつかめないというか、すごいやりづらかったです」と相手をたたえ、「それでも被弾はなかったと思うのでそこは自分の中で自信になりました」といつも通りの傷のない、きれいな顔で話した。 　年末に向けてビッグマッチが決まりかけているとも話した吉成。「今回の試合で気づいたこととか試したいこともあったので、またそれを次に。蹴り足をつかんでからの詰め方だったり、相手がコーナーに詰まった時にもう少しやれることがあったかなと思ったので、そこをもっと工夫してやりたい」とさらなる向上を誓った。