紅葉に外国人観光客殺到で“すし詰め”状態の京都 オーバーツーリズム対策“ノー大荷物バス”導入も乗客は1人…情報届かず
FNNプライムオンライン
紅葉が見ごろを迎える京都では今、オーバーツーリズム問題が問題になっていて、新たな対策が講じられているようです。 対策とその効果とは?現地を取材しました。 真っ赤に色づいた紅葉。 今、京都は秋の深まりとともに紅葉の見ごろを迎えています。 この絶景を求めて多くの外国人観光客が訪れる中、「イット!」は、この秋から導入された新たなインバウンド対策の効果を調査しました。 3日、19度に迫るポカポカ陽気となった京都・嵐山。 風情ある街並みと紅葉が織りなす嵐山の絶景を見ようと、多くの外国人観光客が訪れていました。 歩道は人で埋め尽くされ、すし詰め状態に。 あまりの人の多さに、車道にはみ出して歩く危険な場面がありました。 人気の撮影スポットである渡月橋では、美しい紅葉の嵐山をバックに写真を撮ろうと、観光客がずらり。 世界遺産の清水寺周辺も人、人、人の大混雑となりました。 寺まで続く坂道は、歩くのがやっとのほどです。 訪れた外国人観光客は、「私の誕生日のお祝いで来たの!すごくきれいだった!」「紅葉がとてもきれいで、たくさん写真を撮ったよ」「色がきれいで紅葉が大好き。ハッピーな気持ちになったわ」と、秋の京都を満喫していました 一方、京都では観光客が増えすぎることで起こる、いわゆる“オーバーツーリズム”が大きな問題となっています。 バスの車内で撮影された写真を見ると、外国人観光客が持ち込んだとみられるスーツケースが完全に通路をふさいでいます。 京都市は市営バスにスーツケースなどの大きな荷物を持ち込まないよう呼びかけていますが、後を絶ちません。 3日、駅前にあるバス停でウォッチングしてみると、多くの人がスーツケースを持ってバスに乗る姿を目撃しました。 インドからの観光客: 公共機関を使うのが好きだから。バスを使えば文化的な体験もできるしね! こうした問題を解消しようと、2024年10月に京都市と観光協会が導入したのが、その名も「ハンズフリーバス」。 これは、大きな荷物を持ちながら観光するのではなく、手ぶらで観光してもらおうという試み。 荷物をバスのトランクに預け、駅と市内のホテルなどを500円で巡回します。 しかし、3日に「イット!」が乗り場に向かうと、ほとんど人の姿がありません。 京都市によると、バスの利用者は1日平均10人ほど。 1人もいなかった日もあったといいます。 広報活動に力を入れていますが、外国人観光客に情報が行き届いていないのが現状です。 京都市は「イット!」の取材に対し、「観光課題の対策に特効薬があるわけではないので、粘り強くいろんなことをやりながら、効果があったものを続けてやっていきたい」と話しています。
関西テレビ