ホテルのフロントへの電話 実は青森のカスタマーセンターが受けている
黒木)「お客様のクレームがホテルをつくり上げる」というものとは違いますからね。 瀧澤)ホテル側が想定しているお客様ではないようなお客様がいらしている、ということなのでしょうね。 黒木)コロナ禍のとき、あるホテルでエレベーターに1人のお客さんが乗っていたのです。私たちは仕事だったので、3人でそのエレベーターに乗ったところ、そのまま閉めようとしたら、その方が文句を言いながら降りていったのですよ。 瀧澤)コロナ禍はお客さん同士のトラブルもありましたね。朝食ビュッフェ会場で「しゃべるな」「並べ」とか。コロナ禍はホテルにいる人々を分断させたような印象があります。 黒木)コロナ禍があったからブラッシュアップもされたけれど、いろいろな問題も山積みになっているのですね。 瀧澤)ホテルは増えていますが、一方では人手不足によって廃業に追い込まれるホテルもある。まさに、そこにつながっているのだと思います。ホテルばかり増えて人がおらず、どうしたらいいのか。そんななかで最近、AI化が進んでいます。また先日、見学に行った会社はすごかったです。フロントにお客様からの内線電話が入ると、フロントでいちいち対応するにも人手がいるので、青森県にコールセンターをつくっているのです。 黒木)ええー! 瀧澤)ホテルに内線電話をかけると、青森県のコールセンターにつながる。パソコンでは自動的に、どのホテルの部屋番号なのかがわかるようになっていて、コンピューターに部屋の写真や動画がアップされます。お客様が「これがないんだ」と言うと、全部対応できるのです。驚きました。その会社は30ヵ所ぐらいのホテルと契約し、コールセンター代行業をやっているそうです。 黒木)ホテルの方もお忙しいですものね。 瀧澤)だからルームサービスをホテルでお願いすると、青森県に電話が入るのです。 黒木)そういうこともあるのですね。私もこの間ルームサービスを頼みましたが、もしかすると青森県までつながっていたかも知れませんね。 瀧澤)まさか青森だとはね。