〈詳報〉西之表市議会が八板市長に辞職勧告 馬毛島自衛隊基地整備巡る対応批判 推進派の一部も同調し決議案可決 市長「適切な対応取っている」と辞職を否定
鹿児島県西之表市議会は27日の最終本会議で、八板俊輔市長への辞職勧告決議案を賛成8、反対5で可決した。同市馬毛島で進む自衛隊基地整備の対応を巡り、「市民への説明不足」「議会軽視の行動」を指摘する内容。法的拘束力はない。八板氏は閉会あいさつで「行政の長として課題に真摯(しんし)に向き合い、適切な対応を取っている。職責を全うする」と辞職を否定した。 【写真】議会終了後、報道陣の取材に応じる八板俊輔市長=27日、西之表市役所
八板氏への決議案は問責を含めて4回目で、過去3回はいずれも1票差で否決された。決議では、行政手続きを理由に実質的に基地整備に協力する一方、住宅や駐車場の不足、人材流出といった生活への影響について「対策が十分とは言えない」と指摘。「多くの市民がリーダーシップを疑問視している」と追及した。 基地整備に反対する議員の決議案提出に、推進派の一部も同調。賛成討論に立ち、「職員を信頼し、方向性を示すことが市長の役割。その任を果たせないために、この3年間であらゆる年代の職員が退職している。政治は信頼なくして成り立たない」と述べた。 八板氏は2017年市長選で基地整備に反対の立場を取り、再選挙の末に初当選。21年は「計画に同意できない」との考えを掲げて再選された。25年3月の任期満了に伴う次期市長選に、3期目を目指して立候補する意向を表明している。
南日本新聞 | 鹿児島