未利用魚をフレンチに 射水(富山)のレストラン、漁師・学生と開発へ
富山県射水市新湊地域の漁師とフランス料理のレストラン、学生がコラボレーションし、市場で流通しにくい「未利用魚」を有効活用するプロジェクトを始めた。コース料理やテイクアウト商品を考案し、漁業の活性化や持続可能な開発目標(SDGs)の推進につなげる。 定置網漁師の八ツ橋佳太さん(40)とレストランSazan(射水市海竜新町)、富山高専射水キャンパスの学生が連携する。 プロジェクトの名称は「きときとのその先へ」。海水温の上昇で漁獲量の減少や水揚げされる魚種の変化が課題となる中、同店が貴重な水産資源として未利用魚に着目した。学生と協力し、若年層に魚食の良さを発信する狙いもある。 八ツ橋さんが魚の提供と鮮度を保たせる「神経締め」の処理、同店が調理とメニューの考案、商品の開発を学ぶ同校アントレプレナー研究同好会が販売方法の助言や情報発信を担う。コース料理は来年1月中旬の提供開始を目指す。
6日に同店で発表会があり、未利用魚のエソのムースや燻製(くんせい)、イネゴチのマリネが披露された。シェフの黒崎俊則さん(57)は「調理方法を工夫すれば、未利用魚をおいしく味わえることを伝えたい」と話した。 同会部長の小倉魁透(かいと)さん(電子情報工学科4年)は「学生の立場で漁業の課題解決に貢献したい」と語り、八ツ橋さんは「まちおこしにもなればいい」と期待した。