「早稲田大学地域猫の会」が活動継続へ 最後の1匹「茶々」は天国に
早大公認のボランティアサークル「早稲田大学地域猫の会(わせねこ)」が活動を継続することが分かった。最後の1匹となった地域猫「茶々(ちゃちゃ)」が10月10日に死んだことで、今後の活動について早大関係者や地域の人の間で注目が集まっていた。(高田馬場経済新聞) 【写真】早大・早稲田キャンパスで暮らす地域猫「寧々」と「茶々」=「早稲田大学地域猫の会」が活動継続へ 「わせねこ」は1999(平成11)年設立。早大早稲田キャンパスに住む地域猫の食事管理や去勢手術の実施、健康管理など、人と猫が共生できる環境づくり「地域猫活動」に取り組む学生サークル。サポーターと呼ばれる地域の人や教職員からも協力を得て、活動を続けてきた。去勢した猫の耳をカットするようにしたのは、わせねこ発祥といわれている。 サークル設立時は約20匹いたとされる早稲田キャンパスの地域猫。わせねこの20年以上にわたる地道な活動により、白毛と黒毛の「寧々(ねね)」、白毛と茶色の毛の「茶々」の2匹のみとなり、早大生や教職員、地域の人たちにかわいがられていた。 寧々は昨年以降、肝臓数値の悪化や肺炎のような症状、心臓病などにかかっていることが分かり、今年4月に死んだ。わせねこのSNSでは「ここ数ヶ月は、サポーターの方のお宅でお世話になっており、おだやかに過ごせていたようです。今まで寧々を可愛がってくださりありがとうございました。」(原文ママ)と伝えられた。 最後の1匹となった茶々は、その後も早稲田キャンパスで生活を送っていたが、もともと肝臓の数値が良くなかったところに、夏バテで体力が落ち、薬が飲めなくなったため、7月末からサポーターの家で療養していた。わせねこ副幹事長の濱本美和さんは「一時期は、この夏を越えられないと思っていた」と話す。 クーラーの効く環境で食欲も出始め、薬も飲めるようになり、回復傾向だったが、10月に入った頃から少しずつ弱っていき、体重も落ちてきた。寧々と同じように「最後はあまり苦しむことなく、穏やかに旅立った」(わせねこ)という。動物霊園として知られる練馬区の「大泉寺」に納骨された。今後、寧々も納骨される予定。 毎年、学園祭の「早稲田祭」で2匹をモチーフにしたグッズを販売しているわせねこ。今年は例年よりも多くの人がブースを訪れ、今後の活動について聞かれることが多かったという。メンバーで検討し、今後は保護猫活動をしている団体に寄付をしたり、保護猫カフェなどの活動を調べる活動をしたり、地域猫活動を広めることを主軸に置いていくことに決めた。11月5日、高田馬場経済新聞の取材で分かった。 濱本さんは「茶々が亡くなったことで、大きな転換点に立っていると思う。サークルをこれからも継続し、地域猫活動を広めるというところは揺るぎなくやっていくので、これからも皆さんに見守ってもらえれば」と話す。 会計の野口珠央さんは「寧々、茶々が病気になったり、亡くなったりということを通して、わせねこが地域の人や学生に支えられたということを感じた。今後、活動する上で、これまで支えていただいた方に恩返しができれば」と話す。
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