【大学選手権】仙台大が初戦突破 左腕エース・渡辺一生が5回7奪三振無失点「全国でも通用することが確認できた」
◆第73回全日本大学野球選手権大会▽1回戦 仙台大9―0星槎道都大=7回コールド=(10日・東京ドーム) 【トーナメント表】今秋のドラフト注目選手も出場 2年連続4度目出場の仙台大(仙台六大学)は星槎道都大(札幌学生)を9―0(7回コールド)で下し、2年連続初戦突破となった。左腕エース・渡辺一生(3年=日本航空)は5回2安打7奪三振無失点の好投。森本吉謙監督は「初めての東京ドームでの先発としては十分な合格点」と及第点をつけた。 「ワクワクとフワフワ」。小学生の時のWBC観戦以来の東京ドームで、マウンドに立った時の心境を渡辺はそう表現した。なかなか心は落ち着かなかったが、「150キロ超の速球派」という事前情報を得ていた相手をチェンジアップなどの変化球で仕留め、徐々に肩の力は抜けていった。「『150キロ(以上)が出る変化球ピッチャー』が(自分の)テーマ。そう(速球派と)思われているなら逆に好都合かな。真っすぐを狙ってくれて、こちらは変化球で空振りとれるので」。5回1死三塁の場面では、チェンジアップとスライダーで2者連続三振に仕留めた。 1年時にリーグ戦デビューしたが、昨年は春、秋とも開幕直前にけがで離脱。バッティングピッチャーとしてチームを支えてきた。「悔しかったけど応援する側にまわってみて、いろいろなものが見えてきて、すごくいい経験になった」。打者の動きや心理を観察する習慣が、この日の投球でも生かされた。 仙台大入学後は「師匠」として慕う2学年上の川和田悠太投手(22)=現・三菱重工EAST=と「野球ノート」を交わし、日々改善点を見つけて取り組んできたという。「ピッチングも成長できているんですけど、いい仲間に出会えたので、人として成長できたのが大きいかなと思います」と渡辺。森本監督も「チームのためにという感覚が芽生えている」と認めた。 「全国でも通用する確認ができた」と自信をつけた渡辺。12日の2回戦・九産大(福岡六大学)戦に向け「目の前の試合を一つずつ勝って、日本一になれるよう頑張ります」と意気込んだ。(甲斐 毅彦)
報知新聞社