コスプレするのは何のため? モチベーションは作品“愛”がすべて
神無さんはデジタル一眼レフを使い、自分でコスプレ撮影も行う。 「もちろん、カメラマンさんが自分の作品集として制作する場合は、レタッチなどはお任せするケースが多いのですが、自分がやりたいコスプレに関しては画像データをもらって自分でレタッチしますね。SNSなどに投稿してもらう場合も、私がレタッチすることが多いです」 ペンタブレットを駆使し、Photoshopでレタッチなどの加工も自分でする。
好きなキャラクターのためなら露出もいとわない
神無さんは学業のかたわら、撮影会モデルとしても活動している。いわゆる“普通の”ポートレートである。現在、コスプレ撮影との割合は半々だそうだ。 「撮影会モデルは、お金をもらっているので仕事という感覚。コスプレは完全に私の趣味なので、本当に好きでやっていて、ちょうどいい割合でやっていると思います」 撮影会では、アマチュアカメラマン複数人とモデル1人でのスタジオ撮影が多いというが、たまに1対1での撮影もあるという。もちろんコスプレの作品撮りでも個人撮影はあるのだが、はたして初対面の異性と2人きりになることに不安はないのだろうか。 「もちろん怖いです。だから、撮影会モデルの方はスタジオに登録していて、スタジオの管理下で行うようにしています。コスプレ撮影は、基本的に信頼関係を構築してから作品イメージがきちんと共有できる人とでないと難しいですね」
コスプレは肌の露出が多い。イベントなどで多くのアマチュアカメラマンに囲まれ、大胆な衣装でポーズを取ることに抵抗はないのだろうか。 「私の場合、コスプレ界隈でも比較的露出が少ない方だと思うのですが、それでも好きなキャラがしている格好であれば抵抗なくできます。そこは作品やキャラへの“愛”がモチベーションになっていますね。キャラがやっているから、私の中では不必要な露出ではないんです。逆に撮影会モデルでは、水着や下着姿には絶対になりません(笑)。ちょっと私の範囲ではないですよって」 だからこそ、興味のないキャラでの撮影をコスプレ写真家から依頼されても、断る場合が多いという。そこに“愛”がなければ、作品づくりへのモチベーションは上がらないからだ。 「私はもともと、ただの“オタク”で、『銀魂』という作品の“神威(かむい)”というキャラに一目惚れして、神威になりたいからコスプレを始めたんです。その当時は今より10kgほど太っていて、神威はこんなに太っていないと思って身体を絞ったり、瞳の色を合わせるためにカラコンを入れたり……。キャラが好きすぎて、なりたいからコスプレをやっているという感じはあります」