センバツ高校野球 山梨学院、悲願の2勝 二回、大森勝ち越し打 3回戦は光と /山梨
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は24日、2回戦3試合があり、開幕戦となった初戦を勝利で飾った山梨学院は、21世紀枠で出場の氷見(富山)と対戦し、4―1で勝利した。山梨学院が甲子園で2勝を挙げるのは初めて。3回戦は大会第8日に光(山口)と対戦する。【竹田直人、福原英信】 ◇初戦に続き完投 初戦に続き積極的な走塁が、チーム史上初の甲子園2勝目を呼び込んだ。 一回の相手の攻撃。1、2番はエース林謙吾(3年)がぴしゃりと抑えたが、味方に失策が出た後に2連打を浴び、先制点を献上してしまう。 しかし、選手たちに焦りはなかった。二回に先頭の4番・岳原陵河(3年)が右越え三塁打。続く進藤天(3年)が遊前の当たりを全力疾走で内野安打にすると、その間に岳原が生還。進藤は盗塁と犠打で三塁に進み、7番・大森燦(3年)がきっちりと中前に適時打を放ち勝ち越した。 初戦に続き完投勝利の林は7安打を打たれたものの要所を締め、失点は初回のみ。六回には自己最速の140キロの速球で三振を奪うと、マウンド上で雄たけびを上げた。 二塁打2本を含め、この試合4打数3安打だった進藤は「打者陣はみんな欲が出て、引っ張るような打撃をしていたのは反省点」と3勝目に向け表情を引き締めていた。 ……………………………………………………………………………………………………… ■ズーム ◇「冷静に」挽回の一打 山梨学院・大森燦二塁手(3年) 初回、相手に先制点を奪われるきっかけとなった失策を犯したが、気持ちを切り替え殊勲打を放った。 「ワンバウンドさせるか迷って焦ってしまっていた」。二死走者なしの場面で、目の前にポトリと落ちた打球を捕球したが、一塁への送球が少しそれた。その後、相手は2連打で1点を先制。「あのプレーで相手に勢いを与えてしまった」と悔やんだが、ベンチに帰ると、仲間からは「切り替えろよ」と声をかけられ、奮起した。 挽回の機会はすぐに訪れた。二回、1点を追いついた直後の1死三塁の場面で打席が回ってきた。「何とかエラーの分を取り返したい」と強い思いがあったが、頭は冷静だった。直球が続いたので「そろそろ変化球が来る」と予感。その通りのカットボールを中前にはじき返すと、逆転の適時打となった。 「あの一打で自分のミスを取り返せたとは思っていないが、正直ホッとした」と振り返る。普段からセンター返しを意識して1日1000回以上の素振りをしている。「3回戦はノーエラーでチームに貢献したい」とさらなる活躍を誓う。【竹田直人】