松山英樹は"自身が開発した"最新ボール「Z-STAR XV」で世界7位! "音"にこだわった「30Yのアプローチ」はPGAツアーNO.1を記録
松山英樹はダンロップフェニックス2位で2024年の戦いを終えた。今シーズンは、PGAツアー2勝にパリ五輪銅メダルと活躍し、世界ランキングは7位へ。その躍進には、松山自身が開発に関わった最新ボール『Z-STAR XV』にあった。 山英樹のドライバーショットを練習場で撮り下ろし
松山英樹は「30Y以内のアプローチ」でツアーナンバーワンを記録!
松山は今年1月のファーマーズインシュランスオープンから新しいボールにチェンジした。 その週に米ツアー初のホールインワンを記録すると2週後のフェニックスオープンから4月のRBCヘリテージまで「トータル・ホール・アウツ」というチップインの数を示すランキングでトップをキープ。年間では10位に入り、チップインの数は前年の13個から23個へと倍近い数を量産した。 また「アラウンド・ザ・グリーン」では今季ツアー1位(前年13位)を記録。グリーン周りから30Y以内のアプローチが"一番上手い"ことを示すデータだ。 50~125Yからのアプローチは2位(前年1位)、100Y~125Yからは4位(36位)というデータを見ても、100Y以内のショットやアプローチは、世界トップクラスを証明している。
松山英樹がボールで最も重要にするポイントは「パットの音」
松山がこの1年、結果やデータで示した今年使用ボールは、松山自身が開発に関わり、ショートゲームにこだわって生まれたものだという。 松山とともにボール開発に取り組んだ住友ゴム工業スポーツ事業本部商品開発部課長の神野一也さんに話を聞いた。 「松山プロがボール開発で最も重要としているのがパターの音です。そのパターの音を担保したうえで、次にアプローチの性能やスピン量を向上するための開発に取り組みました」 パターとアプローチにこだわって作られたという最新ボール。 「プロの表現では”割れるような高い音”。100Y以内でショットやアプローチをしたときに、『音が鳴って飛んで止まる』という一連の流れを生み出せるボールです。ボールを打ったときにイメージがわきやすい音を求めて開発しました」
カバーの素材は"トウモロコシ"
ショートゲームのイメージがわきやすく、今季PGAツアーナンバーワンのアプローチ力を生んだボール。音とスピン量、いいとこどりのボールを開発するには、さぞ苦悩したことだろう。 「カバーの素材はダンロップの材料チームが担当しました。性能がいいだけでなく、メーカーとしてはサステナブルにもこだわります。そこで探し出したのが環境に配慮したトウモロコシ由来の素材を配合したウレタンカバーでした」 昨年のダンロップフェニックスで発表した新素材をさらに改良し、進化させた。 「松山プロは前作より確実にいいと思わなければ、変えることはありません。プロとしてメリットがなければ当然のことです。ただ、今回はアプローチでメリットを感じてもらうことができました」 とくにショートゲームの性能を追求した最新ボールを、アイアンやドライバーをテストしたときには確認するほどでよかったという。ドライバーの飛距離も向上し納得できる精度と飛距離が出せたからだ。