ビニールハウスで避難生活 能登地震、被災者の疲労ピークに
最大震度7を観測した能登半島地震は6日、発生から6日目を迎えた。被災地では寒さの中、農業用ハウスに身を寄せ、避難生活を送る住民もいる。長引く避難生活に疲労はピークを迎えている。 4世帯13人が水稲育苗ハウスに身を寄せる石川県珠洲市若山町広栗。集落ではほとんどの家屋が全壊。生き埋めになった住民もいた。その場から離れたくなくて2日からハウスで避難生活を送る。 ハウスには、壊れた家から畳や布団、机を持ち込んだ。隅にはハクサイやダイコンが植わっている。夜はストーブに加え、布団を重ねてかぶり、寒さをしのぐ。食料や水も支援が届いているという。 住民は「ご近所さんと協力できて心強い」と口をそろえるが、厳しい現実もある。住民の橋本まりかさん(52)は母を亡くした。地震発生日は母の誕生日。家族で祝った直後の出来事だった。 橋本さんは「家も家族もなくなった。電気も電波も風呂もない。いつまで続くのか」と疲れた表情で話した。 (北坂公紀)
日本農業新聞