衆院選比例中国、定数1減で議席争い激化 9党の51人がひしめく
27日投開票の衆院選が終盤戦に入り、比例代表中国ブロックの議席争いが激しくなっている。「1票の格差」を是正する改正公選法の施行で今回から定数は1減の10となった。比例単独の17人を含む9党の候補者は51人。比例単独の各候補は街頭活動や集会を重ね、政党や支持組織もフル回転している。 <ビジュアルニュース>衆院選2024 公約を比べる 「逆風選挙。深い反省を持って党改革を進めないといけない」。自民党前職(49)は22日、広島県呉市での集会で「政治とカネ」の問題に触れ、危機感をあらわにした。旧広島4区から比例単独に回り、主に広島県内の小選挙区候補を応援する。2021年の前回選で過去最多の6議席だった党は5議席以上の確保を狙う。 定数1減の影響をとりわけ危ぶむのが同じ与党の公明党だ。比例中国前職(58)は17日、広島市安佐南区の街頭で「大変厳しい、厳しい戦い。勝たせてください、助けてください」と声を張り上げ、現有2議席の確保に向け支持を求めた。前回選の党の2議席目は最後の11番目。陣営は懸命に支持団体を引き締める。 一方の野党。立憲民主党は比例名簿1位に小選挙区の候補14人を重複で登載し、15、16位を単独候補にした。山口県内に拠点を置く16位の新人(77)は連合傘下の労働組合に党の公約集を配り、街宣車で地域を回る。党県連幹部は「少なくとも前回選を上回る3議席を目指して最後までしっかり戦う」と力を込める。 共産党は17年の前々回選で失った1議席の奪還が悲願だ。比例中国元職(46)は23日、中区で通行人に手を振り「大激戦の比例中国。なんとしても再び私を国会に送ってください」と呼びかけた。党の幹部や広島県内の小選挙区の候補も駆け付け、比例重視の方針をアピール。元職の返り咲きに全力を傾ける。 日本維新の会と国民民主党は単独候補を立てず、比例名簿1位に小選挙区の候補を重複させた。維新は現有1議席の上積みを狙い、国民は20年の結党以来で初の議席獲得を期す。 れいわ新選組と社民党、参政党は比例単独候補各1人を立てた。れいわ新人(56)は各地を街宣車で回り「消費税の廃止を」と訴える。社民新人(68)は「電話作戦と街頭活動の両方を充実させたい」と語り、参政新人(46)は街頭演説などを重ね「交流サイト(SNS)でも浸透を図りたい」としている。
中国新聞社