60代一人暮らしの母。賃貸物件へ引っ越すそうですが「高齢者向け」となると選ぶのが難しいですか?どのような物件があるのでしょうか?
一人暮らしをしている親が高齢になってくると、それまで住んでいた家に住み続けることに不安を感じるようになることがあるかもしれません。 高齢者が安心して暮らせる環境を手に入れるために、高齢者向け住宅への引っ越しを考える人もいるでしょう。本記事では、高齢者向け住宅の種類やそれぞれの特徴・費用について詳しくご紹介します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
高齢者向け住宅の種類は?
日本における高齢者の人口は増え続けており、高齢者に特化した住宅の需要も高まりつつあります。 「高齢者向け住宅」に明確な定義はありませんが、高齢者が住みやすさを感じられるよう配慮した住宅のことを指すと考えてよいでしょう。おもな高齢者向け住宅には、以下のようなものがあります。 ■サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は「高齢者が安心して暮らせる住宅」のことです。「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の改正によって登録制度が創設されました。登録基準は以下の通りです。 ・各専用部分の床面積は原則として25平方メートル以上であること ・各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えていること ・バリアフリー構造であること ・ケアの専門家が少なくとも日中建物に常駐し、状況把握サービスと生活相談サービスを提供すること 厚生労働省によると、サービス付き高齢者向け住宅の平均月額利用料は家賃・共益費・基本サービス相当費・食費・光水熱費をあわせて約14万円で、そのうち約6万円が家賃分ということです。有料老人ホームの平均利用料が約19万円なので、サービス付き高齢者向け住宅の方が5万円ほど安くなる可能性があります。 国土交通省によると、サービス付き高齢者向け住宅の対象者は以下の通りなので、該当するかどうか確認してみるとよいでしょう。 【次のいずれかに該当する単身・夫婦世帯】 ・60歳以上の方 ・要介護/要支援認定を受けている60歳未満の方 ■シニア向け賃貸住宅 シニア向け賃貸住宅とは、高齢者を対象とした物件のことをいいます。サービス付き高齢者向け住宅のように登録制ではなく法的な定義もないので分かりにくい部分もあるかもしれませんが、一般的にはバリアフリー構造になっており、物件によっては見守りや安否確認などのサービスを受けられる場合もあるようです。 シニア向け賃貸住宅は物件によって設備や受けられるサービスに違いがあるため、東京都にある物件をいくつか例に挙げて見ていきましょう。 【A物件】 ・アクセス:駅から徒歩4分 ・間取り:1LDKタイプ ・契約時の費用目安:74万~78万円程度 ・月額の費用目安:14万~15万円程度 ・シニア向けのおもなサービス:安否確認サービス・生活相談サービス・緊急対応サービス・生活快適サービス・アクティビティサービス A物件は年齢制限を60歳以上としたシニア用の物件です。こうした物件のほか、次にご紹介するB物件のように「シニア入居相談可」としている物件もあります。 【B物件】 ・アクセス:駅から徒歩2分 ・間取り:1DK ・敷金:6万6000円、礼金:6万6000円 ・家賃:13万2000円、管理費:5000円 ・シニア向けのおもなサービス:特になし 受けられるサービスの有無も費用に影響してくるため、引っ越し後にどのような生活を望むか、よく考えたうえで物件を選ぶとよいでしょう。