アドバンテッジなど、古河電池を400億円で買収 鉛電池強化へエナジーウィズと統合
古河電気工業は23日、電池子会社の古河電池について、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP)や東京センチュリーが買収すると発表した。株式公開買い付け(TOB)などを経て約400億円で全株式の取得を目指す。APと東京センチュリーは、昭和電工マテリアルズ(現レゾナック)から鉛蓄電池事業を買収して設立したエナジーウィズ(吉田誠人社長、東京都千代田区、EW)と古河電池を統合し、事業規模を拡大させていく。 TOB価格は1株1400円。TOBが成立すると古河電池は上場廃止になる。古河電工は古河電池株の約57%を持つが、TOBには応募せず、非公開化後に再出資する予定だ。 EWとの統合を通じ、原料の共同調達や物流、廃電池の回収など各分野の事業効率を高めるほか、新規分野への投資などを進める。 古河電池が主力とする鉛蓄電池は、車載用のほか再生可能エネルギーの需給調整用などにニーズが広がる。これまでの鉛蓄電池とは構造が異なるバイポーラ型鉛蓄電池の製品化や、電池をコアデバイスとしたESS(エネルギー・ストレージ・システム)事業の立ち上げを掲げている。リチウムイオン電池のドローン(無人機)市場への展開や、アルカリ電池のグローバル展開も進めている。 こうした新たな製品開発や事業を進めるうえでも、ファンド傘下でEWとのシナジー創出を狙うことが得策と判断したもよう。古河電池の今年3月期の売上高は約754億円。ジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)の5628億円を追撃する形になる。