1ドル=1406.6ウォン…輸入物価の増加幅も6カ月ぶりに最大
強まっている「トランプトレード」にドル高が進み、ウォン安が連日加速化している。13日のウォン相場は、取引中1411ウォン(約156円)台まで下落した。 ウォン相場が低迷しているのは、まず世界の資金がトランプ政権時に恩恵が予想される米ドル資産に集中しているためだ。さらに共和党が上下院を掌握する「レッド・スウィープ」が次第に現実化し、ドナルド・トランプ大統領当選者の「高関税」に対する市場の恐怖は「スーパードル(ドル高)」をあおっている。 韓国だけの現象ではない。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、主要6カ国の通貨に対するドルの価値を示すドルインデックスは12日(現地時間)、前日より0.9%上昇した106.02を記録した。ドルインデックスが106台を突破したのは6月26日(106.05)以降4カ月ぶりだ。スーパードルの独走を防ぐ通貨がないという点もウォン安を圧迫する要因だ。韓国時間の13日午後5時、ユーロ圏の共同通貨であるユーロは1ユーロ=1.06ドルに下落した。今年に入って最も低い。アジア通貨の中で同調化傾向が強い人民元も2日連続で心理的抵抗線とされてきた「1ドル=7.2人民元」を下回った。iM証券エコノミストのパク・サンヒョン氏は「欧州とと中国経済の不振で現在米国のドル高に対抗する通貨がないという点もウォン安の要因となっている」と分析した。 トランプ政権の再執権が確定した後、韓国市場を離れる外国人投資家が増えたという点もウォン安をあおっている。韓国取引所によると、外国人は今月に入って13日まで韓国証券市場(コスピ+コスダック)で1兆5000億ウォン相当の株式を売った。 相当数の専門家が外国為替市場の変動性が大きくなり、ウォン相場が1ドル=1400ウォン半ばまで下落する可能性があると見通す理由だ。新韓(シンハン)銀行エコノミストのペク・ソクヒョン氏は「トランプトレードに米国ドル価値だけが上がり、ユーロと円など主要通貨価値が下落している」として「当分ウォン相場が1300ウォン台に回復するのは容易ではない」と話した。 ウォン安ドル高は輸入物価を引き上げ、インフレ(物価上昇)の火種を生き返らせる恐れがある。先月の輸入物価の上昇率(前月比)もウォン安と国際原油価格の上昇に支えられ、6カ月ぶりに最も高く上昇した。13日、韓国銀行(韓銀)によると、先月の輸入物価指数(ウォン基準暫定値)は137.61で、9月(134.67)より2.2%上昇した。4月(3.8%)以降最も高く上がったのはウォン安が主な原因として働いた。先月の平均1ドル=1361ウォンで、9月(1334.82ウォン)より2%下落した。 LG経営研究院のチョ・ヨンム研究委員は「ドル高は輸入物価を上げ、(原材料を輸入して再加工して販売する)生産者物価に影響を与える」とし「結果的に、高い費用を支払わなければならない消費者は(物価負担のため)消費が減り、内需市場の不振につながりかねない」と分析した。